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親分
「親分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
親分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
いて呆れら。へい、そして静岡だってね。」 「ああ、」 「と御維新|以来、江戸児の
親分の、慶喜様が行っていた処だ。第一かく申すめの公も、江戸城を明渡しの、落人を極....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
くもねいや」 「ところが昨日のはよっぽどおもしろかったてよ」 「あの津辺の定公ち
親分の寺でね。落合の藪の中でさ、大博打ができたんだよ。よせばえいのん金公も仲間に....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
。私は、大将の命令がなけりゃ、店を畳みたいのですよ。どうかして下さいな、『狼』の
親分!」 その頃、男爵とウェイトレス真弓とは、御成街道を自動車で走っていた。二....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
いのかと、力もなにも一度に抜けてしまってのう」 カンカン寅というのは例の仙太の
親分に当る男で、昨夜あの海岸通の古建物で、折井山城の二刑事に捕った怪漢のことだっ....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
」 その覆面の人物は、きいた。 「はあ、見事におまにあいになりました。やっぱり
親分はたいしたお腕まえで……」 「これこれ、
親分だなんていうな。きょうからスコー....
「恐竜島」より 著者:海野十三
ますよ、何も海まで運ばないというんじゃありませんやね」 フランソアもラルサンも
親分格のモレロにかかると、まるで赤ん坊だ。 三人はモレロをまんなかにして、ボー....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
ってある大運搬船の舷に、一人の仲間と竝んで、海に向って坐って居た。仲間と云おうか
親分と云おうか、兎に角私が一週間前此処に来てからの知合いである。彼の名はヤコフ・....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
、これを見て驚いたのは、室内の乱暴な白人の手下ども五六人だ。やがてわれにかえると
親分の一大事とばかり、どっと杉田にとびかかってきた。 こうなっては仕方がない。....
「キド効果」より 著者:海野十三
だ云わば本格的暴力団ともいうべき種類のものであった。一行は赤でもなく白でもなく、
親分「岩」に率いられてその胸三寸次第で如何様にも突入していったのだった。 ただ....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
まってしまったのだった。そして一流れ者の小忰であるAは、ここ数年の間、大泥棒、大
親分として、ひそかに村人の、伝統的な英雄崇拝感といったようなものを満足せしめてい....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
一体どこの者だ、家は遠いかって聞きますとね、つい五町ばかり先でございます、あの、
親分の処に、と弱った声でいいました。親方というのは鯰の伝――どうです騒の卵じゃあ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
生か)といって、愛吉が、呆気に取られて、しばらく天井を視めていたそうだッけ。 (
親分か、)と吹ッ切った。それで静まるのかと思うとそうでない。 (あン畜生、根生い....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
リンスキーの自由思想に傾倒して意気|欝勃としていたから、一から十までが干渉好きの
親分肌の矢野次郎の実業|一天張の方針と相容れるはずはなかった。算盤玉から弾き出し....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
産党議員がいきり立って、民自党議員と乱闘を演じ、共産党の立花君が民自党の小西寅松
親分の頭をポカポカなぐる騒ぎとなった。このため本会議は休憩となり、私はしてやった....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
。電車が動き出してから、車内をひとわたり見回すと、私の筋向かいに一見請負人らしい
親分ふうの男が座っている。私はその男に近づいて声をかけた。 『つかぬことをおうか....