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親切
「親切〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
親切の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
もなく私は、妻の最期を悲しみました。そればかりか、時としては、校長始め同僚から、
親切な同情の言葉を受けて、人前も恥じず涙さえ流した事がございました。が、私があの....
「鼻」より 著者:芥川竜之介
不足らしく頬をふくらせて、黙って弟子の僧のするなりに任せて置いた。勿論弟子の僧の
親切がわからない訳ではない。それは分っても、自分の鼻をまるで物品のように取扱うの....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
もかまいません。この国の霊の一人です。」
老人は微笑《びしょう》を浮べながら、
親切そうに返事をした。
「まあ、御一緒に歩きましょう。私はあなたとしばらくの間《....
「葱」より 著者:芥川竜之介
お》へ微笑を浮べながら、「難有《ありがと》う」と云った所を見ると、お君さんのこの
親切が先方にも通じたのは勿論である。すると帳場の前へ立っていたお松さんが、ちょう....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
かせた。のみならず叔母が気をつけていると、その後《ご》も看護婦の所置ぶりには、不
親切な所がいろいろある。現に今朝《けさ》なぞも病人にはかまわず、一時間もお化粧《....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
んげふじん》が五百人の子とめぐり遇った話を引いて、親子の恩愛が尊《たっと》い事を
親切に説いて聞かせました。蓮華夫人が五百の卵を生む。その卵が川に流されて、隣国の....
「少年」より 著者:芥川竜之介
云ったのは少しでも保吉の教育に力を添《そ》えたいと思ったのであろう。彼もつうやの
親切には感謝したいと思っている。が、彼女もこの言葉の意味をもっとほんとうに知って....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
れを売りつけられた私の友人夫婦が何かの都合で行かれなくなったために、私たちの方へ
親切にもまわしてくれたのです。演芸会そのものの事は、別にくだくだしく申上げる必要....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
でも松平|兵部少輔《ひょうぶしょうゆう》は、ここへ舁《かつ》ぎこむ途中から、最も
親切に劬《いたわ》ったので、わき眼にも、情誼の篤《あつ》さが忍ばれたそうである。....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
見ると、恥しそうに下を向いたまま、暫くは返事もしませんでした。が、老人はその日も
親切そうに、同じ言葉を繰返しますから、こちらも前と同じように、 「私は今夜寝る所....
「滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
北を枕に横わっていた。僕はその顔を見た時に何とも言われぬ落莫を感じた。それは僕に
親切だった友人の死んだ為と言うよりも、況や僕に寛大だった編輯者の死んだ為と言うよ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
紙も今に残っているそうであるが、公表されてはおらぬ。 デビーは返事をよこして、
親切にもファラデーに面会してくれた。この会見は王立協会の講義室の隣りの準備室で行....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ほど急いでいなかったので、ご馳走はどれもこれもしこたま頂戴したのである。 彼は
親切で、深く恩に感じる人間であり、心が大きくなる度合は、腹の皮がご馳走でふくらむ....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
、お神さんの読んだ時と文句がちがうので大変に困りました。 「何しろ、拾った人に、
親切にしてくれろってことだべい。」 と太郎右衛門が言うと、お神さんも、 「そんだ....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
わら帽をかむった労働者の一人は矢張槌を動かしたまま、ちょっと僕の顔を見上げ、存外
親切に返事をした。 「これですか? これは蔵前橋です。」 僕等はそこから引き返....