親切ごかし[語句情報] »
親切ごかし
「親切ごかし〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
親切ごかしの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
の末ほども同情のない心で、早月家の善後策について、さも重大らしく勝手気ままな事を
親切ごかしにしゃべり散らすのを聞かされた時、どうにでもなれという気になって、暴《....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
な訊問をせられるし、附近の人々には嘲笑の眼で見られるし、それに弱味につけ込んで、
親切ごかしに騙りに来る者や、強請に来る者があった。親類縁者も誰一人助けて呉れるも....
「鬼涙村」より 著者:牧野信一
あるという態度を示したがった。彼も例の黒表の一名だが、おそらくその原因は、その「
親切ごかし」なる渾名《あだな》に依ったものに違いなかった。伜《せがれ》の松二郎が....
「継子」より 著者:夢野久作
。……ことによるとこれはソンナ風にして玲子さんを欺して家を飛び出さして、どこかへ
親切ごかしに誘拐するつもりで出した手紙かも知れないね。そうして玲子さんはもう半分....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
場にいるのである)。 風俗の方はしばらく措き、純然たる思想警察についても、この
親切ごかしと道徳振りとは、現代の名物である。一九三六年十一月一日から実施された思....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
大切な犯人の正体が隠されているに違いないと睨んだ迄の事さ。だから僕は、銚子駅で、
親切ごかしに僕自身の手でこ奴をチッキにつけたんだよ。夫人の本邸へではなく、内密で....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
を極めた、貧乏人泣かせの高息の金貸しであった。二両三両、五両十両といたるところへ
親切ごかしに貸しつけておいては、割高の利息を貪《むさぼ》る。これが草加屋の遣口《....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
和さんの事を口走《くちばし》って隣室の書生さんに聞かれたのが原因で、好意か悪意か
親切ごかしにあんなものを買って来てくれて僕を玩弄物《おもちゃ》にしたのです」妻君....