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「親父〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

親父の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
し、あなたもまた、――あなたは御両親ともおありなんでございますか?」 「いいえ、親父《おやじ》だけです。」 「お父様《とうさま》だけ。御兄弟は確かございませんで....
路上」より 著者:芥川竜之介
「いや、今日はこれから国へ帰って来ようと思って――明後日《あさって》がちょうど親父《おやじ》の三回忌に当るものだから。」 「そりゃ大変だな。君の国じゃ帰るだけ....
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
オソフィストたるタウンゼンド氏はハムレットに興味を持たないにしても、ハムレットの親父《おやじ》の幽霊には興味を持っていたからである。しかし魔術とか錬金術《れんき....
星座」より 著者:有島武郎
自分を腑甲斐《ふがい》なく思った。そして思わずいらいらした。 「僕はたぶん明日|親父《おやじ》に会いに千歳《ちとせ》まで帰ってくる。都合ではむこうの滞在が少し長....
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
かし子供は慥《たしか》に可愛いな。子供が出来ると成程心持も変る。今度のは男だから親父が一人で悦んでるよ」 「一昨年来た時には、君も新婚当時で、夢現《ゆめうつつ》....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
。これは平吉《へいきち》……平《へい》さんと言うが早解《はやわか》り。織次の亡き親父と同じ夥間《なかま》の職人である。 此処《ここ》からはもう近い。この柳の通....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
僕が後になって急ぐ。八時少し過ぎと思う時分に大長柵の畑へ着いた。 十年許り前に親父《おやじ》が未だ達者な時分、隣村の親戚から頼まれて余儀なく買ったのだそうで、....
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
「へい、まことにびっくりいたしました。巡査《おまわり》さんに咎められましたのは、親父《おやじ》今がはじめてで、はい、もうどうなりますることやらと、人|心地《ごこ....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
とうはKの事ではない。そう思っているおれ自身の事だ。おれはほんとうに悲しい男だ。親父にも済まない。兄や妹にも済まない。この一生をどんなふうに過ごしたらおれはほん....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
、侘しそうな旅籠屋を烏のように覗き込み、黒き外套で、御免と、入ると、頬冠りをした親父がその竈の下を焚いている。框がだだ広く、炉が大きく、煤けた天井に八間行燈の掛....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
いるのが不思議でならないよ。あんまり悪口いうようだけど、清六はちとのろ過ぎるさ。親父だってお袋だってざま見さい。あれで清六が博打も打つからさ。おとよさんもかわい....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
東京へ出るがよいかと思います。 それにつけてもわたしの家ですが、御承知のとおり親父はまことに片意地の人ですから、とてもわたしの言うことなどは聞いてくれそうもあ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
うう。」 「せき込むなよ……という事も出来るし、亭主がまた髯を捻って、「先方御|親父が、府会議員とごわすれば、直接に打附って見るも手廻しが早いでごわす。久しく県....
寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
けないで、別派の見世物として取扱われていたのでした。 それから次には伊井蓉峰の親父さんのヘヾライさん。まるで毛唐人のような名前ですが、それでも江戸ッ子です。何....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
働けば、それできれいに抜けっちまア……」 だが、抜けるどころか、一年ならずして親父には死なれ、待望の米価は、ことに浜口緊縮内閣の出現によって一俵七円に下り、繭....