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「観る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

観るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
草をぶらついて、奥山を見ないとも限らぬ。その時いかなる必要があって、玉乗の看板を観ると云う、奇問を発するものがあれば、その者愚ならずんば狂に近い。鰻屋の前を通っ....
間諜座事件」より 著者:海野十三
顔つきで眺めて―― 「さア、お前はどこに決めるんだ」 「俺は断然、この丸花一座を観る」 「じゃ俺もそう決めた。……いいよいいよ、今夜は俺が払うから、委しとけ」 ....
雛妓」より 著者:岡本かの子
える。一々の諱は汝の附くるに任せる。希くばその実を逸脱せざらんことを。わたくしの観る如くば、それは真夏の際の湖水である。二つが一々主峯の影を濃くひたして空もろ共....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
が、真に迫らない気がする。――ほかに鮟鱇がある、それだと、ただその腹の膨れたのを観るに過ぎぬ。実は石投魚である。大温にして小毒あり、というにつけても、普通、私ど....
成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
のです。私は勉強をする事も覚え、読んだり考えたり書いたりする事も覚えました。物を観ることも覚えました。私は今日自分で多少なり物が書けたり、物を観たり、考えたりす....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
の精神的素養が、少しもその文体の上に影響を与えないとか主張するものではない。私の観る所によれば、霊媒自身の性癖が、たしかに此等の通信の中に見出されると思うが、こ....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
、トーイランドは自由平等の楽地|也。 一、各自互に平和なり。 一、縮小して世界を観ることを得。 一、各地の風俗を知るの便あり。 一、皆|其の知恵者より成れり。 ....
ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
じゅう同じものを繰返し繰返し見ていることが、ちょうど毎晩同じ劇場へはいって芝居を観る者に起きるように、私の心をとうとう倦怠と嫌悪の巣にしてしまった。 私は三十....
取舵」より 著者:泉鏡花
ども渠等は未だ風も荒まず、波も暴れざる当座に慰められて、坐臥行住思い思いに、雲を観るもあり、水を眺むるもあり、遐を望むもありて、その心には各々無限の憂を懐きつつ....
朝顔日記の深雪と淀君」より 著者:上村松園
いませぬが、すでに芸術であり美術である以上、作られた作品がただ単に醜悪不快の念を観る人に与えるばかりでは、芸術としての価値が減ずるようにさえ思われます。したがっ....
簡潔の美」より 著者:上村松園
動き、重なり、線の曲折、声曲から発する豪壮沈痛な諧律、こんなものが一緒になって、観る人の心を打つのです。 その静かで幽かなうちに強い緊張みのある咽び顫うような....
幼き頃の想い出」より 著者:上村松園
古ぼけた美 東京と違って、京都は展覧会を観る機会も数も少のうございますが、私は書画や骨董の売立のようなものでも、出来るだ....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
す。 明治二十八年 「清少納言」第四回内国勧業博出品(二等褒状)「義貞勾当内侍を観る」青年絵画共進会出品(三等賞銅牌) 同 二十九年 「暖風催眠」日本美術協会出....
明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
邃、壮大、雅麗等の諸性質はそなえておらなければならぬが、また超快感的の気韻情調の観るべきものを必要とする。すなわち人を引いて彼岸の理想境に入らしむる底の魅力がな....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
の外に、小さな滝を仕掛けてある。汲んで飲むものはこれを飲むがよし、視めるものは、観るがよし、すなわち清水の名聞が立つ。 径を挟んで、水に臨んだ一方は、人の小家....