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「観照〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

観照の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
しば後者の一つの属性のごとく取扱われてきたにかかわらず、近来(純粋自然主義が彼の観照《かんしょう》論において実人生に対する態度を一決して以来)の傾向は、ようやく....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
押し付けがましいようではあるが、恐らく一般読者においても、この方面に関する吾人の観照が、野蛮な自然民の当初の幼稚なまとまらない考え方から出発して現代の大規模な思....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
起していったん意識を喪い、再び恢復して来たときの復一の心身は、ただ一|箇の透明な観照体となって、何も思い出さず、何も考えず、ただ自然の美魅そのままを映像として映....
河明り」より 著者:岡本かの子
る。 この妙な私の性分に従えば、心の一隅の危険な望みを許すことによって、自然の観照の中からひょっとしたら、物語の中の物足らぬ娘の性格を見出す新な情熱が生れて来....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ているのは、犯人の天稟学だったのさ。あの中にある風精の印象を一つに集めて、それに観照の姿を浮ばしめる――その狂言の世界だ。けっして、あの狂詩人が、単に一個の想い....
生の拡充」より 著者:大杉栄
最中といえども、なお当面の事件の背景が十分に頭に映じている実行である。実行に伴う観照がある。観照に伴う恍惚がある。恍惚に伴う熱情がある。そしてこの熱情はさらに新....
続獄中記」より 著者:大杉栄
よますます深く、主観もまたいよいよますます強まった。そしていっさいの出来事をただ観照的にのみ見て、それに対する自己を実行の上に現すことのできない囚人生活によって....
「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
与えた影響を数える。しかしわたしはそれよりも先に、戯曲と云わず小説と云わず、彼の観照に方向を与えた、ショオの影響を数え上げたい。ショオの言葉に従えば、「あらゆる....
文学的饒舌」より 著者:織田作之助
力はないが、吉田栄三の芸を想わせる渋い筆致と、自然主義特有の「あるがまま」の人生観照が秋声ごのみの人生を何の誇張もなく「縮図」している見事さは、市井事もの作家の....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
て、単純化してくれる感激を待ち望むことが出来ないとすれば、もっと深い反省、静かな観照から、ひそかな内律をひき出す様にする事が、更に歌をよくし、人間としての深みを....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
葉の綾が面白いとかこの引掛けが巧みだとかいうような事を能く咄した。また紅葉の人生観照や性格描写を凡近浅薄と貶しながらもその文章を古今に匹儔なき名文であると激賞し....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
いあるいは枝葉|末梢であって、凡近卑小の材を捉えて人生の機微を描こうとした作者の観照的態度に対して批判を加えた者は殆んど一人もなかった。尤もこの二葉亭の目的は失....
」より 著者:岡本かの子
――お恥かしうございます。 ――はにかむところは一入艶だ。 ――おれは、君ほど観照してる余裕はない。女狐さん用ならさっさと話して呉れ。 ――では申し上げます。....
文章を作る人々の根本用意」より 著者:小川未明
あまりに生々しく不秩序的に見えることさえ多い。これを冷静に批評し得るほどの観察力観照力は、長い月日の間に、遅々として獲得するよりほかに方法はない。 こゝに初め....
茂吉の一面」より 著者:宇野浩二
に画家になろうと志した程の、私などが足もとにも近づけない程の、美術に対して勝れた観照眼を持っている茂吉であった事を、ずっと後に、思い出して、私は、冷汗をかいたこ....