観音崎[語句情報] »
観音崎
「観音崎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
観音崎の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
ど出るのと同じように、沢山出ているはずの帆船や漁船は一|艘《そう》もいなかった。
観音崎《かんのんざき》の燈台、浦賀、横須賀《よこすか》などの燈台や燈火が痛そうに....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
艇隊を放って浦賀付近の港内を測量し、さらに内海に向かわしめ、軍艦がそれを掩護して
観音崎から走水の付近にまで達した。浦賀奉行とペリイとの久里が浜での会見がそれから....
「上海された男」より 著者:牧逸馬
奴だ!」と男は為吉の手首を掴んだ。驚いた顔が幾つも戸の隙間に並んでいた。 「僕は
観音崎署《かんのんざきしょ》の者だ。一寸同行しろ」 超自然的に為吉は冷静だった....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
、埼玉県の粕壁、川越、東京府へ入って八王子、神奈川県の相模川に沿って鎌倉へぬけ、
観音崎までゆく。浦賀水道にも船を配して聴いている。千葉県へ入って、木更津から千葉....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
人と最初の談判は伊豆の下田でしたが、次のは浦賀ですることになった。その際、黒船が
観音崎を這入る時には、黒雲を起してそれに隠れて、湾内に入ったという評判であった。....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
大貫。佐貫の村々。
富田岬をかわして、安房《あわ》の勝山、走水《はしりみず》。
観音崎から、那古、舟形《ふながた》。
三崎……城ヶ島。
このあたりのたびたび....
「野萩」より 著者:久生十蘭
だためしがないが、こんどもまた、子供の靴下から、ぞろりと宝石があらわれて、五日も
観音崎の沖でとめられ、ようやく上陸許可になったと思うと、検疫中にチフス患者が出た....
「昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
かへ走り去った。 その夜の明けがた、二人を乗せたモーター・ボートが、朝霧の中を
観音崎《かんのんざき》の沖へきえた。その行方はわからない。 『富士』はどこにかく....
「鯛と赤蛸」より 著者:佐藤垢石
現在上総の湊と竹岡の間にある萩生村に渡っていて、そこの漁師が晩春から初夏へかけ、
観音崎水道のあたりで、盛んに鯛を漁っているのである。 網の形式について、ここに....
「瀞」より 著者:佐藤垢石
伜は、伊豆の網代へも、浦賀の隣の鴨居にも下総の竹岡へも鯛釣りに同行した。そして、
観音崎と富津の岬の間に漂う東京湾内の静かな海の底から、鮮麗、眼を欺くばかりに紅い....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
雨来たる。夕六時、房州長島の灯台望中に入る。乗客、喜色顔にあふる。夜十一時、相州
観音崎下に停船す。 二十二日、晴れ。八時横浜に入る。長途五万七十五マイルをつつ....
「ユモレスク」より 著者:久生十蘭
にすんだためしがないが、こんどもまた子供の靴下からぞろりと宝石があらわれて五日も
観音崎の沖でとめられ、ようやく上陸許可になったと思うと検疫中にチブス患者が出たり....