角兵衛獅子[語句情報] » 角兵衛獅子

「角兵衛獅子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

角兵衛獅子の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
降りるようになると、秋が近い。秋が近づくと、江戸の町に景物が決まって二つふえる。角兵衛獅子《かくべえじし》に柳原お馬場の朝げいこ、その二つです。 トウトウトウ....
硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
そのうちで最も猛烈に彼の攻撃を受けたのは、本所辺から来る十歳《とお》ばかりになる角兵衛獅子《かくべえじし》の子であった。この子はいつでも「今日《こんち》は御祝い....
倫敦消息」より 著者:夏目漱石
ず苦笑いをすると向うでも苦笑いをする。これは理の当然だ。それから公園へでも行くと角兵衛獅子に網を被《かぶ》せたような女がぞろぞろ歩行《ある》いている。その中には....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
釈を挙げて、口を極めて嘲罵しているのを想い起した。わたくしの敬愛する所の抽斎は、角兵衛獅子を観ることを好んで、奈何なる用事をも擱いて玄関へ見に出たそうである。こ....
最後の胡弓弾き」より 著者:新美南吉
はや》らなくなった。五、六年前までは、遠い越後《えちご》の山の中から来るという、角兵衛獅子《かくべえじし》の姿も、麦の芽が一寸|位《くらい》になった頃、ちらほら....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
音が起ったので、その腰を折られました。 麓から登って来るのは、越後の国から出た角兵衛獅子の一行であります。その親方が、てれんてんつくの太鼓を拍《う》ち、その後....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
、へゝゝゝ彼のテレツク/\なんぞは悉皆覚えましたが、重次郎さんの扮装てえのは恰で角兵衛獅子でございますね、白の着物に赤い袴で萌黄色のきれの附いている物を頭部に冠....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
火と共に一散に走る。 杖に笠の伊勢詣りたくさん。 気の抜けたぬけ参りの戻り。角兵衛獅子の一隊テレンテンツク。 盤台を天秤《てんびん》にして勢いよく河岸へ走....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
る石橋の所、妻恋村へ出ようとする角に葭簀張が有って、其の頃は流行ました麦藁細工で角兵衛獅子を拵え、又竹に指た柿などが弁慶に※に捻鉄松風に狸の糞などという駄菓子が....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
しょう……と、お湯の中でお雪に話しました。この婆さんの考えでは、多分、越後の国の角兵衛獅子が、国への戻りに舞い込んだものとでも思ったのでしょう。翌日は早速、人を....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
島崎鶏二筆「竹」、(2)林重義筆「少女」、(3)竹久夢二筆の雪山の絵、(4)同、角兵衛獅子の絵はがき)〕 (1)これは好きというより何と父の作風と息子の作風と....
随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
のあと、「箱根関所」の茶番。これは巴家寅子、丸一小仙の役人、海老蔵の墨染、小亀の角兵衛獅子という贅沢な顔づけがわけもなくありがたかった。「親父が作兵衛、子供が角....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
りその夜のことなのである。 外神田の河岸ッぷちを、風に吹かれてすッ飛んできた、角兵衛獅子の二人の子。 軍鶏の赤毛をお頭にのせて、萌黄木綿のお衣をきせたお獅子....