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角地
「角地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
角地の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「行人」より 著者:夏目漱石
でさえ立派な家《うち》が建つ時節じゃないか」
桐畠というのは家のつい近所にある
角地面《かどじめん》の名であった。そこへ住まうと何か祟《たたり》があるという昔か....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
いられない。やはり行く事に致そう。
向う横町へ来て見ると、聞いた通りの西洋館が
角地面《かどじめん》を吾物顔《わがものがお》に占領している。この主人もこの西洋館....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
、しとしと、しとしと、と。 それに、時どき、風さえ横なぐりに――神社のまえの三
角地の中央に、高さ一尺ほどの三角形の石が立っている。 三国ヶ嶽国境の石なので、....
「播州平野」より 著者:宮本百合子
せんね」 「それで結構でありますよ」 石田の家は、街道に沿って埋立てたせまい三
角地の上に窮屈に建て増し、建て増しされた家であった。廊下の中に庇合《ひあ》わいな....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
熱河省進出事件などは全くこの成功の前祝いのようなものだったのである。 ハルハ三
角地帯事件などというものもあったが、これは何しろ辺塞の出来事なので、中央の大方針....
「細木香以」より 著者:森鴎外
して、崖の上の小家を買う相談は、意外に容易く纏まった。高木ぎんの地所は本やや広い
角地面であったのを、角だけ先ず売ったので、跡は崖に面した小家のある方から、団子坂....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
べて罪は、それ自身に懲罰を齎らすのであって、外部的の懲罰を必要としない。 兎に
角地上の生命は、大なる生命の一断片である。生前の行為と、その行為に伴う結果とは、....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
親で、もう一昨年頃|故人の数に入ったが、照降町の背負商いから、やがて宗右衛門町の
角地面に問屋となるまで、その大島屋の身代八分は、その人の働きだったと言う。体量も....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
いした土地なのにねえ。」 母は、土一升金一升のまんなかで、しかもめぬきの土地の
角地面の地主さんになれなかった怨《うら》みを時たまこぼす。 「あすこはな、不浄場....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
という洗濯やの父子をすすめて、そちらへ行きました。団子坂上の細い道へ曲った角の三
角地帯にとりついた小さい家にカンバンもかけずやっていました。息子が若くて腕がよか....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
角地争《かどちあらそ》い 六月十五日の四ツ半(夜の十一時)ごろ、浅草|柳橋《や....
「木彫ウソを作った時」より 著者:高村光太郎
や眼にのしかかり気味でそれが眼に陰影を与える。眼と嘴と額との国境のような凹んだ三
角地帯に、剛い毛に半ば埋れるように鼻孔がこの辺のこなしを引締めている。文鳥のよう....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
という位で、少し酸味があるので子供はよくこれを咬んで楽しみにしていた。秋田県の鹿
角地方でこの草をマンジュシカシカと呼ぶのも、マンジュは不明だがシカシカはすかな(....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
々ではシラモチと謂い、阿蘇の山村ではシイラ餅と謂っているとともに、一方秋田県の鹿
角地方などにもシロコダンゴという名がある。分布のこのように古いのを見ると、この名....