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「角帽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

角帽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
小倉《こくら》の袴に黒木綿《くろもめん》の紋附《もんつき》をひっかけた、背の低い角帽が一人、無精《ぶしょう》らしく懐手《ふところで》をしながら、ふらりと外からは....
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
向けたが、その途端に、大きな頬髯をたくわえた堂々たる恰幅《かっぷく》の巡査が、三角帽をいただき、佩剣を吊って、橋のたもとに立っているのが眼についた。イワン・ヤー....
「まざあ・ぐうす」より 著者:北原白秋
ながちょうをおひざにのっけて、赤い御本をひらいている画《え》のついた表紙のや、三角帽《さんかくぼう》のリボンに鵞《が》ペンをさしたおばあさんがテエブルの前に腰を....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
境に押出して来るのだった。 或者はポッと出の田舎者のような風をしていた。或者は角帽を被って大学生を装うていた。或者は半纏を羽織って生え抜きの職人のような服装を....
「天馬」より 著者:金史良
少しばかりおずおずし出した。おやっと思って玄竜が振り返って見れば、入口のところに角帽を目深く被った背のひょろっとして高い大学生が蒼くひきつった顔をして突立ってい....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
市へ下宿した。生まれて初めて洋服を着用した。もちろん金ボタンの大学の制服だった。角帽を被った。その意気な形はそのころの壮士芝居のスター秋月桂太郎を思わせた。芸者....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
上りの値が違う。ところで小座敷、勿論、晴れの席ではない、卓子台の前へ、右のその三角帽子、外套の態で着座して、左褄を折捌いたの、部屋着を開けたのだのが、さしむかい....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
あることだろう。『家庭雑誌』に載った秀湖のハイカラ女学生論も、決して日比谷公園で角帽と相引きするをもって人生の全部と心得ているようなものを指したのではあるまい。....
「落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
ります。「それみろ」父は申しました。信二郎は今年新制大学にはいりました。一人前に角帽をかぶっているのに、末子で、いつまでたっても一人でどんどん事をはこぶことが出....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
にも今時分、縫い取りをした上着を着て、｜皇帝の鳥に髪を結った彼女の若い恋人が、三角帽で胸を押さえつけながら、伯爵夫人の寝室から忍び出て、この秘密の階段を降りて行....
「可愛い山」より 著者:石川欣一
校から大学へうつる途中の夏休であったと思う。あたり前ならば大学生になれた悦しさに角帽をかぶって歩いてもいい時であるが、私は何んだか世の中が面白くなくって困った。....
「酔っぱらい星」より 著者:小川未明
いますと、それが福々しいおじいさんの顔になって見えました。おじいさんは、頭に三｜角帽子をかぶっています。そして、やさしい、まるまるとした顔をして、こちらを見て笑....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
た学校の学芸会の際、河合栄治郎氏がしばしば白線入りの一高帽で来たり、帝大入学後は角帽姿で後輩を指導したことは忘れられず、私が政治に生きたいと考えるようになったさ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
もんな。うむむ、まだ今は出んちいいよった。」 日本医専の生徒の美少年のＳがまた角帽で、絵具函を片手にぶら提げ、小躍りしながらやって来る。 「先生、札幌はいいで....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
沢山数字を書きつらねたのを高く頭上にさしあげて記憶術の秘訣とやらを滔々弁じている角帽の書生を取り巻いた人だかりの中に、私は長男の後姿を見かけた。が、つかまったら....