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角笛
「角笛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
角笛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
の外輪四山のうちの紅蓮峰《リム・ボー・チェ》の嶺ですね。あれは、東南からのぞめば
角笛形をしているが、ちょっと、西へまわると隠れていた稜角《りょうかく》がでて、そ....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
兵隊に云い付けて狩りの支度をして仕舞った。 弓矢を背負うた四十人の騎馬武者と、
角笛を胸に吊した紅矢を後前《あとさき》に従えた藍丸王は白い馬に乗って、華やかな鎧....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
かける。 王子 この先に宿屋はないか? 第一の盗人 森の外へ出さえすれば「黄金の
角笛」という宿屋があります。では御大事にいらっしゃい。 王子 そうか。ではさよう....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
判官の前に恐れかしこまる奴隷もなかりし。 人は未だ剣も鎧も知らず 喇叭も戦を呼ぶ
角笛も人の世の外なりし。 未だ都を巡らす堀もなく 人はただ己に隣る世界の外を知ら....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
のを頭に嵌めて見交し合う姿が、暴動のように忽ち周囲を浸した。 「おかあさん、何?
角笛、これ代えたげる冠りなさい」 うねって来る色テープの浪。繽紛と散る雪紙の中....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
フン、まだあるのか」と熊城は、唾で濡れた莨とともに、吐き出すように云った。「もう
角笛や鎖|帷子は、先刻の|人殺し鍛冶屋で終りかと思ったがね」
「あるともさ。それ....
「リギ山上の一夜」より 著者:斎藤茂吉
書などを買って、そこの貼紙を見ると、「御客様方は、日の出三十分前に、アルプス山の
角笛を以てお起こし申上げます」と書いてあった。 帰って来て見ると、部屋は正方形....
「ある幻想曲の序」より 著者:寺田寅彦
重なって倒れたまま朽ちかかっている。朽木の香があたりに立ち籠めている。 遠くで
角笛の音がする。やがて犬の吠声、駒の蹄の音が聞えて、それがだんだんに近付いて来る....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
晴れた青空の上からあたたかく照りかがやいて、峰と峰とのあいだから、りょうしの吹く
角笛が、いかにもおもしろく、たのしくきこえました。きいているうちにもう、うれし涙....
「人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
とり、れいのちいさい花壇のなかに、しょんぼりすわっていました。そのとき、ひとこえ
角笛のひびきが、海の水をわたって来ました。その音をききながら、ひいさまはおもいま....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
喜びとわに住めど。来たれ、列柱を震い動かさん。見よ、予期せざりし獲物の死を報ずる
角笛を。 「ねえ幡江さん、奥、前、高――と、この沙翁舞台の様式ですが、それを一生....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
照らしている。輪になってみんな踊っている。……おお楽の音がする! 手太鼓の音が!
角笛の音が! ……ご覧よご覧よ大きな乳房を! ご覧よご覧よ太い股を! ご覧よご覧....
「角笛吹く子」より 著者:小川未明
ばだいじょうぶだ。」と、おばあさんも答えました。 このとき、子供は、懐の中から
角笛を取り出しました。そして、北の野原に向かって、プ、プー、プ、プー、と吹き鳴ら....
「かもめ」より 著者:神西清
フで)いや、膏ぎった汗臭い臥床に寝びたり、豕同然の彼奴と睦言…… 仮舞台のかげで
角笛の音。 トレープレフ さあ皆さん、始まります。静粛にねがいます。(間)では、....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
光の如く東から西へ流れている。雪渓の雪が先ず其光を吸って仄に輝き始める。何処かで
角笛でも吹くような木兎の叫声が二度三度聞えると、夫が合図ででもあるように鼠色の衣....