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角袖
「角袖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
角袖の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
》も見えぬ、懐《なつか》しい、おとなしやかな風采《とりなり》で、羅紗《らしゃ》の
角袖《かくそで》の外套《がいとう》を着て、白のふらんねるの襟巻《えりまき》をしめ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
せて並んで出ている夜店が、縁日らしいくだけた感じを与えた。込み合う雑沓の人々も、
角袖の外套や手柄をかけた日本髷や下町風の男女が、目立って交っていた。 人混を縫....
「蒲団」より 著者:田山花袋
つかなぞも余り男と一緒に歩いたり何かするものだから、角の交番でね、不審にしてね、
角袖巡査が家の前に立っていたことがあったと云いますよ。それはそんなことは無いんだ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
崩折れ、とぼとぼと元の道を歩いたのが、栗栖の門の前まで来ると、薄暗いところに茶の
角袖の外套に、鳥打をかぶった親爺の磯貝が立っているのに出逢い、はっとしたが、彼は....
「黴」より 著者:徳田秋声
の方へ降りて行った。 暗い横町で、ばたばたと後を追っ駈けて来て体を検べる二人の
角袖に出逢いなどしたが、足は自然に家の方へ向いて行った。 「敵――の――生命――....
「雑沓」より 著者:宮本百合子
さんもう帰った?」 「ああ電報が来て帰っちゃった」 きっちり襟元を合わせて絣の
角袖を着、袴をつけた吉本も一緒に、茶を飲んだ。瑛子は、 「お父様、この方が吉本さ....
「暗夜の格闘」より 著者:小酒井不木
快活にはしゃぎました。 食事がちょうど終わった時、小田刑事の部下の波多野さんが
角袖でふうふう言って入ってこられましたが、私たちの姿を見てちょっと躊躇されました....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
》ッ天辺《てっぺん》、緑青《ろくしょう》のふいた相輪《そうりん》の根元に、青色の
角袖《かくそで》の半合羽を着た儒者の質流れのような人物が、左の腕を九|輪《りん》....
「書記官」より 著者:川上眉山
は五十路に近き満丸顔の、打見にも元気よき老人なり。骨も埋もるるばかり肥え太りて、
角袖着せたる布袋をそのまま、笑ましげに障子の中へ振り向きしが、話しかくる一言の末....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
え、ウム! と唸っている。鐘の音が止む。そこへ右手の道からこれも小走りに出て来る
角袖の刑事。薬箱こそ負うてはいないけれども、富山あたりの行商人のなりをして、脚絆....
「草紅葉」より 著者:永井荷風
舞台の仕事がすんで、黒い仕事着を渋い好みの着物に着かえ、夏は鼠色の半コート、冬は
角袖《かくそで》茶色のコートを襲《かさ》ねたりすると、実直な商人としか見えなかっ....
「寺じまの記」より 著者:永井荷風
配の男が一人、妾《めかけ》風の大丸髷《おおまるまげ》に寄席《よせ》芸人とも見える
角袖《かくそで》コートの男が一人。医者とも見える眼鏡の紳士が一人。汚れた襟付《え....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
え、ウム! と唸っている。鐘の音が止む。そこへ右手の道からこれも小走りに出て来る
角袖の刑事。薬箱こそ負うてはいないけれども、富山あたりの行商人のなりをして、脚絆....