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「解毒剤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

解毒剤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海底大陸」より 著者:海野十三
ィス医師は、船内でただひとりの眼のきく男パイクソンのたすけをかりて、これぞと思う解毒剤を作ったのであった。もちろん、かれが口でいう処方どおりに、パイクソンが、た....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
た。が、ふと額の汗を指で掬い取ると、彼の眉がピンと跳ね上って、 「こりゃいかん。解毒剤をすぐ!」と、この状況に予想もし得ない意外な言葉を吐いた。そして、咄嗟の逆....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ちを呼びあつめた。医師を招いて診察を求めると、それは食い物の中毒であるといった。解毒剤をあたえられて、一同幸いに本復したが、馬夫だけは多く食ったために生きなかっ....
今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
して、行動主義文学、能動精神の声は、単に、『文学界』の芸術至上的、抽象的風潮への解毒剤として一般に迎えられたばかりでなく、プロレタリア文学の公式主義との中間に立....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
大衆文学」というものは、どんな芸術的主張をもつのか解らないが、とにかく現文壇への解毒剤《げどくざい》として、一つの公開さるべき処方である。医師は救いがたい病気に....
今日の生活と文化の問題」より 著者:宮本百合子
のない客との応接、心を散漫に疲れさせるそれらの条件を健全でない事情と見て、反対の解毒剤として、所謂落着いた古来の仕舞は健全と思われているのであろう。実際に百貨店....
女の手帖」より 著者:宮本百合子
営団を貫くからくりに通暁しているからこそ、公正な人民管理を主張しているのである。解毒剤 あらゆる面で、生活の正常な機能を破壊された七千万の日本人民が、今日当面....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
しても恥かしくないものだ。殊にこの中にはいっているのはまたとない尊いもので、この解毒剤を一滴でも飲めば、どんな劇薬でも無害になるのだ。ラッパチーニの毒薬に対して....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
う感覚から出る表現の価値を、非常に感覚上の同感をもって理解するわけです。 この解毒剤のせいで、私は大変すーっとして本当の落付いた勇気に満ちて居るから、どうかお....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
来ているのがわかります。これは私を元気づけます。文学というものはやはり人間精神の解毒剤として存在するということの証拠ね。そしてやはり人間はいくらかずつ前進してい....
雑記(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
極的な唱歌のように思われるかもしれない。もしそうであれば、それだけかえって必要な解毒剤かもしれない。 管絃のプログラムが終ると、しばらくの休憩の後に舞楽が始ま....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
その主題も実生活に触れているので、今夜のような場合には、迷信的空想に対する一種の解毒剤の役を勤めるであろうと考えたからである。 午後九時半頃に、かの書物をポケ....
空家の冒険」より 著者:ドイルアーサー・コナン
葉よりも、その態度の上によく現われた。 「ワトソン君、仕事は悲哀に対する、最善の解毒剤だよ」 彼は更に言葉をさしはさんだ。 「ここに我々にとっての小さな仕事が....
山椒魚」より 著者:岡本綺堂
物のうちに何か悪いものがまじっていたに相違ないとのことであった。医師はとりあえず解毒剤をあたえたが、二人はいよいよ苦しむばかりで、夜のあけないうちに枕をならべて....
葛根湯」より 著者:橘外男
でみてくれ! 君は医者ではない! 場合によれば、俺はこれからすぐに医者へ行って、解毒剤を掛けてもらわねばならん! さ、今の包紙をどこへやった? 何? 破って棄て....