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解脱
「解脱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
解脱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
てはならぬ。あっさり、すっきり、瀟洒《しょうしゃ》たる心持でなくてはならぬ。この
解脱《げだつ》は何によって生じたのであろうか。異性間の通路として設けられている特....
「富士」より 著者:岡本かの子
ち足らわぬものがあろうか。命終せんとして雲に化し巌《いわお》に化す。そこに生死を
解脱《げだつ》して永世に存在を完うしようとする人間根本の欲望さえ遂げ得られるので....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
年の詳細な予言があるのです。仏滅後(お釈迦様が亡くなってから後)の最初の五百年が
解脱の時代で、仏様の教えを守ると神通力が得られて、霊界の事柄がよくわかるようにな....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
い女というのが容易に見あたらないので困っている。」 彼は最初の煩悶からまったく
解脱して、今ではその教義に自分の信仰を傾けているらしかった。しかし、とうてい教化....
「島原心中」より 著者:菊池寛
のことを考えたのです。この女は、明らかに死を望んでいる、そして死ぬ方が、何よりの
解脱である。この女が、自殺しようとしてもがいているときに、ちょっと短刀を持ち添え....
「八幡太郎」より 著者:楠山正雄
またある時義家が時の大臣の御堂殿のお屋敷へよばれて行きますと、ちょうどそこには
解脱寺の観修というえらい坊さんや、安倍晴明という名高い陰陽師や、忠明という名人の....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
の女形である源之助などは善人だったと思う。殊に晩年の源之助は、実にあきらめきった
解脱し切ったような、玲瓏な人柄になっていたらしい。 尤、此は女出入りとは引離して....
「或る秋の紫式部」より 著者:岡本かの子
どの骨折をしながら、人間の中に何か此の世に引き付けられるものが漉き込まれていて、
解脱が手の届くところまで来ていても、どうしても掴めずに引戻されるらしい」 老侍女....
「褐色の求道」より 著者:岡本かの子
絡させているところである。この点基督教仕立ての西洋人の著書であり、また、西洋人に
解脱を与えることも多かろう。独逸人をして独逸人を治めしめよ。私は心に微笑を覚えて....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
羅の妄念でござりまする。とは云え、世になき人の執念は、法華経の功力によって、成仏
解脱のすべもあれど、容易に度しがたいは、世にある人の執念……。甥の景清にも一切の....
「流刑地で」より 著者:カフカフランツ
た。まだ生きていたときとそっくりそのままだった。あのかならず表われるといっていた
解脱の表情の徴候は発見されなかった。ほかのすべての者がこの機械に寝かされて見出し....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
した訳でござる」とこういうと「私の衆生済度の方便は唯一である。その唯一の方法は大
解脱経というお経に依ってやって居るのである。」その大
解脱経というものは私はまだ読....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
郎は落胆した。 岩次郎が、いよいよ肉体的な恐怖に襲われ、専門の僧になって、その
解脱を図ろうとしたのは十五歳の時だった。今まで、どうしても出家を許さなかった両親....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
いずれか自我を捨てて無我となり、両者一身のごとく融け合って、遂には、性的愛着から
解脱するものさえあります。 故に結婚当初、恋愛生活を夫婦愛と間違えていたものは....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
われは結論する――神は永遠であり全能であり全智であり遍在であると。一切の欲望から
解脱しているが故に真に強いものはただ彼だけである。……強き彼は、空間の各部分に現....