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「言いよう〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

言いようの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大川の水」より 著者:芥川竜之介
んということもなく、ホフマンスタアルのエアレエプニスという詩をよんだ時のような、言いようのないさびしさを感ずるとともに、自分の心の中にもまた、情緒の水のささやき....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
、彼自身に対する情けなさとを同時に感ぜざるを得なかった。そうしてそれはまた彼を、言いようのない寂しさに導いた。が、日は無心に木犀《もくせい》の匂《にお》いを融《....
偸盗」より 著者:芥川竜之介
ょうど腐った杏《あんず》のような、どす黒い斑《まだら》があって、そこからなんとも言いようのない、異様な臭気が、もれるらしい。 枕もとには、縁の欠けた土器《かわ....
親子」より 著者:有島武郎
どうなってゆくかわからないような彼は、この冴えに冴えた秋の夜の底にひたりながら、言いようのない孤独に攻めつけられてしまった。 物音に驚いて眼をさました時には、....
星座」より 著者:有島武郎
そうな様子はなかった。園はそれがおぬいさんらしいと思った。そう思いはしたものの、言いようのない物足らなさが胸の奥底に濃く澱《よど》むのをどうすることもできなかっ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
邦様、どろんどろん。」 木戸も閉めないで、トンと行く。 「――何とも、かとも、言いようはありません。」 すぐにお京を招じ入れた、というよりも、お京はひとりで....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
。海の中に柳があったら、お月様の影の中へ、身を投げて死にたいような、……何んとも言いようのない心持になったのですえ。」 と、脊筋を曲って、肩を入れる。 「お方....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
ぎょろりとしながら、頬辺を平手で敲いて、 「この人相だ、お前さん、じろりとよりか言いようはねえてね、ト行った時、はじめて見たのが湯女のその別嬪だ。お道さんは、半....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
いえ、そこどころじゃあない、私は野宿をしましてね、変だとも、おかしいとも、何とも言いようのない、ほほほ、男の何を飾った処へ、のたれ込んだ事がありますわ。野中のお....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
まの足を、茶の間と店の敷居で留《と》めて、立ち身のなりで口早《くちばや》なものの言いよう。 「何処《どこ》からおいで遊ばしたえ、何んの御用で。」 と一向《いっ....
天守物語」より 著者:泉鏡花
拾う。 修理 南無三宝。 九平 殿様の首だ。播磨守|様御首だ。 修理 一大事とも言いようなし。御同役、お互に首はあるか。 九平 可恐い魔ものだ。うかうかして、こ....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
濡れさせ、跣足にさせ、夜露に打たせて……羅綾にも堪えない身体を、と言おうとして、言いようがないから、 (荒い風にもお当りなさらない。) とヘマを言って、ああ厭....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
二三度、四五度、繰返すうちに、指にも、手にも、果は指環の緑碧紅黄の珠玉の数にも、言いようのない悪臭が蒸れ掛るように思われたので。…… 「ええ。」 紫玉はスッと....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
な淡々しいものではない。)ッていうのさ。向うからそう出られちゃあ、こっちで何とも言いようが無いわ。 女郎や芸妓じゃあるまいしさ、そんな殺文句が謂われるものかね....
薬草取」より 著者:泉鏡花
へ出て遊んで来いと、乳母が言ったもんだから、庭から出たです。今も忘れない。何とも言いようのない、悲しい心細い思いがしましたな。」 花売は声細く、 「御道理でご....