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「言い伝え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

言い伝えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
僕は好きなのだ、食って美味いと云うより、見たばかりでもう何となくなつかしい。第一言い伝えの話が非常に詩的だし、期節はすがすがしい若葉の時だし、拵えようと云い、見....
高野聖」より 著者:泉鏡花
いなか》に生れたのも国が世がわり、代《だい》がわりの前兆であろうと、土地のものは言い伝えた。 嬢様は帰るに家なく、世にただ一人となって小児《こども》と一所に山....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
もちろん》一寸見たのでは木か金かも知れないほど古びている。 僕の母なども先祖の言い伝えだからといって、この戦国時代の遺物的古家を、大へんに自慢されていた。その....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
にこの方法を力説し、六則をその高弟|迦葉に伝えたと禅宗徒は確言している。かれらの言い伝えによれば、禅の始祖迦葉はその奥義を阿難陀に伝え、阿難陀から順次に祖師相伝....
「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
して、もはや再び若き日の慷慨激越がなくなった。 S会館の内に三間の部屋がある。言い伝えに拠ると、そのむかし中庭の槐樹の上に首を縊って死んだ女が一人あった。現在....
海亀」より 著者:岡本綺堂
いる。出るとかならず災難に遭うというのだ。一体どういうわけで、昔からそんなことを言い伝えているのか知らないが、おそらく盆中は内にいて、漁などの殺生を休めという意....
鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
天の祠が暗いなかに立っていた。むかしは祠のほとりに湖水のような大きい池があったと言い伝えられていたが、その池もいつの代にかだんだんに埋められて、今は二三百坪にな....
異妖編」より 著者:岡本綺堂
伊四郎は偶然この不思議に出逢って、一種のよろこびを感じた。龍をみた者は出世すると言い伝えられている。それが果して龍ならば、自分に取って好運の兆である。 そう思....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ヤコブス・ウェルス・ミュースの家 ファラデーの家はアイルランドから出たという言い伝えはあるが、確かではない。信ずべき記録によると、ヨークシャイアのグラッパム....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
日のゆうぐれ、美しい上※がつつましやかに回向しているのを里びとの誰れ彼れが見たと言い伝えられた。 作者はこの以上に歴史を説こうとはしない。しかしこの物語の順序....
江戸の化物」より 著者:岡本綺堂
んが、どういうものか、この池袋の女を女中などに使いますと、きっと何か異変があると言い伝えられて、武家屋敷などでは絶対に池袋の女を使わないことにしていたということ....
遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
立てて、紙上を抜け出で、眼前に顕るる。近来の快心事、類少なき奇観なり。 昔より言い伝えて、随筆雑記に俤を留め、やがてこの昭代に形を消さんとしたる山男も、またた....
迷信解」より 著者:井上円了
る。例えば、その家には先年自害したものがあるとか、首|縊りしたるものがあるとかの言い伝えがある。かかる話が残りておるときは、後にここに住するものが、己の神経より....
越年」より 著者:岡本かの子
六日から社が始まった。明子から磯子へ、磯子から男の社員達に、加奈江の復讐成就が言い伝えられると、社員たちはまだ正月の興奮の残りを沸き立たして、痛快々々と叫びな....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、信念の凝り固まったものには、悪人強盗はもちろん、猛獣毒蛇でさえ近寄れなかったと言い伝えられています。その際の名僧の畏れざる態度こそ一見消極的に見えますけれど、....