言うに及ばず[語句情報] » 言うに及ばず

「言うに及ばず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

言うに及ばずの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
は自分独りぎめに「海の砂漠《さばく》」という名をつけて形容して見たほど、遠い陸は言うに及ばず、船|一艘《いっそう》、鳥一羽、何一つ彼の眼には映じない広い際涯《は....
婦系図」より 著者:泉鏡花
えば、と云って、三世相を気にするような男ではないけれども、自分はとにかく、先生は言うに及ばずながら、奥方はどうかすると、一白九紫を口にされる。同じ相性でも、始わ....
国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
った翌日、秘密裡に、日本化学会の幹部二十三名が、学士会館の一室で会合した。会場は言うに及ばず、会館内の隅々まで、電球や電熱器をはじめ、館内に在るありとあらゆるも....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
遅れになって行く古い武器がある。眼前に潰えて行く旧くからの制度がある。下民百姓は言うに及ばず、上御一人ですら、この驚くべき分解の作用をよそに、平静に暮らさるると....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
途中の諏訪に三日も逗留を余儀なくせられたくらいのころだ。江戸表から、大坂、京都は言うに及ばず、日本国じゅうにあの悪性の痲疹が流行して、全快しても種々な病に変わり....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
が起こったのだと述べている。この戦争に、シナで人命を失うもの百万人、シナの港々は言うに及ばず、南京の都まで英国に乗っ取られ、和睦を求めるためにシナより英国へ渡し....
」より 著者:島崎藤村
頃は嘉助同格の支配人が三人も詰切って、それを薬方と称えて、先祖から伝わった仕事は言うに及ばず、経済から、交際まで、一切そういう人達でこの橋本の家を堅めていた。彼....
」より 著者:島崎藤村
いに来て言って、娘を慰める小学校の女教師もあった。子供の病が重いと聞いて、お雪は言うに及ばず、三吉まで病院を離れないように成ってからは、二番目の兄の森彦が泊りに....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
の爪先でそこにあった硯を蹴飛ばして、そのまま次の間に姿を隠しました。墨汁は画絹は言うに及ばず、探幽の膝から胸のあたりまで飛び散りました。まるで気の狂った泥鼠が乱....
黒百合」より 著者:泉鏡花
哥に向って、べらぼうめ! 三十 その悪戯といったらない、長屋内は言うに及ばず、横町裏町まで刎ね廻って、片時の間も手足を静としてはいないから、余り....
別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
水田の居たあとの、二階のある家に越して来ていたから、行くには近かった。――長田は言うに及ばず、その水田でも前に言った△△新聞社の上田でも、村田でも、其の他これか....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
いう一つを取上げてみるにしても、ここ新宿に店を持っていて、電話一本でもって市中は言うに及ばず、郊外までも自転車あるいは自動車で迅速に御注文を果すことが出来る。こ....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
を持たずして、単身熊の巣窟に入り、険を踏み、危を冒して、偃松の中に眠り、大雪山は言うに及ばず、化雲岳を窮め、忠別岳を窮め、戸村牛岳を窮め、石狩岳を窮め、硫黄岳を....
日本画と線」より 著者:上村松園
ます。 日本画の線は、その走り具合や、重たさや軽さによって、物体の硬軟や疎密は言うに及ばず、物その物の内面的実質までもその気持ちを如実に出すの妙があるのです。....
美食多産期の腹構え」より 著者:北大路魯山人
合理に考えられるが、そこまで考えている者は稀なようである。 このことは日本人は言うに及ばず、外国人も同様らしい。アメリカの都市を観て歩いても、実に薬品店の多い....