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「言ってみれば〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

言ってみればの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
闇の絵巻」より 著者:梶井基次郎
って行ってしまった。私はそれを一種異様な感動を持って眺めていた。それは、あらわに言ってみれば、「自分もしばらくすればあの男のように闇のなかへ消えてゆくのだ。誰か....
恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
まうかもしれないぞ。それでもいいんなら言おう」 「構わないとも。話してくれ」 「言ってみればまあ、おれときみとの立場も地位も、全然反対になってしまうのさ」 「立....
」より 著者:島崎藤村
に、今度は困って来た……何か儲仕事をしなけりゃ成らんと成って来た……」 「まあ、言ってみればそんなものだ。俺は金を取る為に、あの事業を為たんでは無いで――儲ける....
読書法」より 著者:戸坂潤
一三四頁、「暇の時に人々が出会うと、めいめいの考えを交換するものだが、この交換は言ってみれば、既知の諸公式に依って行なわれるのであって、精神は高々言葉を楽しんで....
俳句の精神」より 著者:寺田寅彦
全機的な有機体と見ようとする傾向を多分にもっているように見える。少し言葉を変えて言ってみれば、西洋人は自然というものを道具か品物かのように心えているのに対して、....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
かれない一種の溝《みぞ》が走っていた。 その溝はいったい何であったか? それを言ってみれば次のようなわけである。ブレーヌ・ラルーはベルギーの一つの村であり、オ....
どぶろく幻想」より 著者:豊島与志雄
てくれた。料理屋の女中をしながら、陰に陽に周を庇護し、周も彼女を頼りにした。 「言ってみれば、千代乃のスカートの中に、着物の裾の中に、わたしは頭を突っ込んで、そ....
自由人」より 著者:豊島与志雄
、鵞鳥を飼う池の方が主らしいんだ。よくは分らないがね。」 「池のことなら分るわ。言ってみれば、老後の楽しみで、また老後の見栄ね。お父さまも賛成よ。ただ、順一さん....
決闘」より 著者:神西清
と言うんだ。なにもそんなことを言う必要はないじゃないか。陳腐だし、それに……まあ言ってみれば妙な癖だと思うな。」 ラエーフスキイは、自分がフォン・コーレンに嫌....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
一 「……アレは、つまり、言ってみれば、コウいうわけあいがあるンで……」 戦地から来た忰の手紙に、思いき....
最初の出品画」より 著者:上村松園
いた、人間にもある春とか、夏とか、それぞれの年齢を描きわけしてみた、という、まあ言ってみれば極く子供らしい着想で描いたものに過ぎなかった。 絵に対する苦しみと....
翻訳の生理・心理」より 著者:神西清
この生理に加えてもう一つ厄介な重荷は、飜訳の心理ともいうべきものであろう。それは言ってみれば次のような性質のものだ。――およそ多少とも良心的な飜訳者が、仕事に当....
憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
大峯山中に前鬼の村人として存在しているというではないか。さればこれを人事について言ってみれば、自山を擁護して破邪折伏の任務に当る祇園の犬神人の如きは、身分は低い....
澪標」より 著者:外村繁
ったことではあるまい。しかし彼等(勿論、私を含めて)の性はどこにもはけ口がない。言ってみれば、性の中に密閉されている、俘囚のようなものである。従って彼等はどんな....
かもめ」より 著者:神西清
目にもはいらず、しかもこっちから相手の眼を、まともにぐいと見る勇気もなく――まあ言ってみれば、一文なしのバクチきちがいといったざまです。わたしは自分の読者に会っ....