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言下
「言下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
言下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
問うまでもなく明かであった。
「よし。じゃ、あいつに聞いて見よう。」
素戔嗚は
言下《ごんか》に意を決すると、いきなり相手を引っ立てながら、あの牛飼いの若者がた....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
」
将軍の眼には一瞬間、モノメニアの光が輝いた。
「斬れ! 斬れ!」
騎兵は
言下《ごんか》に刀をかざすと、一打《ひとうち》に若い支那人を斬《き》った。支那人....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
。その意味を婉曲《えんきょく》に伝える為には、何と云えば好いのであろう? アベは
言下に返答した。「わたしならば唯《ただ》こう申します。シャルル六世は気違いだった....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
王氏はしばらくたってから、心配そうに私へ声をかけました。
「どうです?」
私は
言下《ごんか》に答えました。
「神品です。なるほどこれでは煙客《えんかく》先生が....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
吸い殻を撃《はた》くを待ちて、 「済みませんが、一服貸してくださいな」 馭者は
言下《ごんか》に莨入れとマッチとを手渡して、 「煙管が壅《つま》ってます」 「い....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
うございます、何事もおっしゃりつけは背《そむ》きますまい。)
婦人《おんな》は
言下《ごんか》に打解《うちと》けて、
(さあさあ汚《きたの》うございますが早くこ....
「弓町より」より 著者:石川啄木
もかく前いったような「人」が前いったような態度で書いたところの詩でなければ、私は
言下《げんか》に「すくなくとも私には不必要だ」ということができる。そうして将来の....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
はいかがお計らいなされまする思召でごわりまするな。」 「勝手にさせます。」と先生
言下に答えた。 これにまた少なからず怯かされて、 「しまするというと、貴下は自....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
た。ナチでないのでありますから、比較的慎重な態度を採らなければならぬパーペンが、
言下に「ドイツが勝ったならばヨーロッパ連盟を作るのだ」と申しました。ナチスの世界....
「海底大陸」より 著者:海野十三
た。 「いや、クーパーさん。わたしのことなら心配は無用です」 と長良川博士は、
言下にこたえた。 「わたしはやはりこの海底大陸にこの一年間を暮らします。約束はや....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
体ではないのです。 公子 (憤然として立つ)黒潮等は居らんか。この女を処置しろ。
言下に、床板を跳ね、その穴より黒潮騎士、大錨をかついで顕る。騎士二三、続いて飛出....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
方、そんなに可恐処と御存じで、その上、お薬を採りに入らしったのでございますか。」
言下に、 「実際|命懸で来ました。」と思い入って答えると、女はしめやかに、 「そ....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
「これは潜水艦だろう」 「ちがう」 てっきり潜水艦だと思っていたのに、魚戸は
言下に否定した。今度は僕が周章てる番だった。 「じゃあ、飛行機の中か。それとも飛....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
るよりも、お米が身に関する故をもって、むしろ情において激せざるを得なかったから、
言下に打出して事理を決する答をば、与え得ないで、 「都を少しでも放れると、怪しか....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
)と不意に言い出したのは件の貴夫人であった。 (打棄っておおきなさい、)と光起は
言下に応ずる。 (でもあのこんなですから、)とさも世馴れた、人懐こいといったよう....