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「言出す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

言出すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
したり賺《すか》したりした。 「あれほど己が言っておいたに、今ここでそんなことを言出すようじゃ、まるで打壊《ぶちこわ》しじゃないか」お爺さんは可悔《くやし》そう....
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
《きっと》来る、何時《いつ》何ういう約束をするというでもなく、何方《どちら》から言出すというでもなく、再び焼棒杭《やけぼっくい》に火がつくことゝ相成りましたが、....
芽生」より 著者:島崎藤村
事情を打開けて、話して見よう、話して見ようと思いながら、翌日に成ってもついそれを言出す場合が見当らなかった。 到頭、言わず仕舞《じまい》に、牧野君の家の門を出....
新生」より 著者:島崎藤村
先の方に吾儕を待っているような気がした。こうしているのが、これが君、人生かねえ」言出すつもりもなく岸本はそれを二人の学友の前に言出した。 「そうサ、これが人生だ....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
車を下りますまでは無事だったんですよ。」 とそれについて婦人の一人、浜谷蘭子が言出すと、可恐く気の早いのが居て、 「ええ、何か出ましたかな。」 「まさか、」 ....
雛妓」より 著者:岡本かの子
いた。 わたくしが安心もし、張合抜けもしたような様子を見て取り、雛妓は、ここが言出すによき機会か、ただしは未だしきかと、大きい袂の袖口を荒掴みにして尋常科の女....
蘆声」より 著者:幸田露伴
なような感じがせぬではなかったが、これが少年でなくて大人であったなら疾くに自分は言出すはずのことだったから、仕方がないと自分に決めて、 兄さん、済まないけれど....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
を暇になりまして、行き所がございません、何うかして詫にまいりたいが中々主人は一旦言出すと肯きません、あなたはお国からのお馴染だそうでございますが、貴方が詫言をし....
」より 著者:島崎藤村
俺の母親さんに彷彿だ」などと言っているかと思えば、突然にお雪に向ってこんなことを言出す。 「房ちゃんは真実に俺の児かねえ」 「馬鹿な……自分の児でなくて、そんな....
」より 著者:島崎藤村
まに貼るのは敵意をあらわすとか、すこし横に貼るのは恋を意味するとか、そんなことを言出す。敵意のあるものなら、手紙を遣取するのも少し変ではないか、こう叔父が混返し....
火星兵団」より 著者:海野十三
くことがある」 丸木は言葉のおしりに、力を入れて言った。 千二は、丸木が何を言出すかと、だまって、待っていた。 「いいか。忘れないように、よく聞いているんだ....
ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
が焼けていたで。俺がなあ、真黒に焼けた跡を今見て来たぞい」 こんなことを三吉が言出すと、お新は思わずその話に釣り込まれたという風で、 「ほんとに、昨日のように....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
茸、にょきりと大松茸は面白い。 私が傘を軒とすれすれに翳して彳んだ処は――こう言出すと、この真剣な話に、背後へ松茸を背負っているようで、巫山戯たらしく見えるか....
申訳」より 著者:永井荷風
って余りあるものの如くに思われた。 僕は相手の気勢を挫《くじ》くつもりで、その言出すのを待たず、「お金のはなしじゃないかね。」というと、お民は「ええ。」と顎《....
六号室」より 著者:瀬沼夏葉
手懐けて、落着かせようと思うたので、その寐台の上に腰を下し、ちょっと考えて、さて言出す。 『貴方はどうしたらよかろうと有仰るが。貴方の位置をよくするのには、ここ....