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言立て
「言立て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
言立ての前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
※弱《ひよわ》かった幼《ちいさ》い頃の房吉の養育に、気苦労の多かったことなどを
言立てる隠居の言《ことば》を、好い加減に房吉は聞流していた。
「不義した女を出す....
「藁草履」より 著者:島崎藤村
聞いた一伍一什《いちぶしじゅう》を話し出した。こう打開《ぶちま》けて罪人の旧悪を
言立てるような調子に出られては、お隅も平気でいられません。見る見るお隅の顔色が変....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
ば……」 と、今まで泣伏していた間に考えていたものと見えて、心有りたけを澱みなく
言立てた。真実はおもてに現われて、うそや飾りで無いことは、其の止途無い涙に知れ、....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
って来て、隊長の鳥売りなぞといって、金モールをつけた怪しげな大礼服を着て、一々|
言立てをするのや、近年まであったカチカチ団子と言う小さい杵で臼を搗いて、カチカチ....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
し官、海行かば水漬く屍、山ゆかば草むす屍、おほきみの辺にこそ死なめ、顧みはせじと
言立て」(巻十八・四〇九四)云々とあるもので、家持は生涯の感激を以て此の長短歌を....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
た。 「ふむ、それを当村でも先月掛けたのだな。豊年祝としてなァ」と純之進は凶作を
言立てられぬように釘を刺した。丹那村の者は皆苦い顔をして項垂れた。 その中にヒ....
「監獄部屋」より 著者:羽志主水
ベラベラ喋りやがって、今に其舌の根ッ子オ引ン抜いてやるから待ってろヨ。今手前達の
言立てはすっかり速記にとってあるから夫について言抜は又幾何でも考えられらア、馬鹿....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
部の兵士がかつて「海行かば水浸く屍、山行かば草|生す屍、大君の辺にこそ死なめ」と
言立てて、一心に君を守り奉りたると同じく、「額には箭は立つとも背は箭は立たじと云....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
ないという癖もある。独《ひと》り大原君に限ってその癖がない。自分の脳髄の鈍い事を
言立て他人の事は何でも褒《ほめ》る。学校にいた時分も自分の解らない疑問は誰の処へ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
そのほかの仕事というたら、夫の仕事の助けをするのか邪魔をするのか知らんが、喧しく
言立てるのが仕事なんです。なかなか上等社会だからといって黙って居る妻君はごく稀で....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
のを持っている。その点に、上古の天皇と氏上との対面の様子が彷彿するのである。この
言立てには、大伴氏の「海ゆかばみづく屍、山ゆかば草むす屍」の
言立ての単純さに比べ....