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言草
「言草〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
言草の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「牛肉と馬鈴薯」より 著者:国木田独歩
に僕の靴の音、二人の下駄の響ばかり物々しゅう反響していたが、先刻《さっき》の母の
言草《いいぐさ》が胸に応《こた》えているので僕も娘も無言、母も急に真面目《まじめ....
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
…、ヘヽヽヽヽ憚《はゞか》りながら先生、左様《そう》申すと口巾《くちはゞ》ッてえ
言草《いいぐさ》でげすが、ごろッちゃらして居アがる野郎の二三人|引摺《ひきず》っ....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
月の漏《も》るより闇がよい」というのは恋に迷った暗がりの心である。「月がよいとの
言草《ことぐさ》」がすなわち恋人にとっては腹の立つ「粋な心」である。「粋な浮世を....
「並木」より 著者:島崎藤村
ま》に面《かお》を合せた友達を見ると、実に、驚くほど変っている。高瀬という友達の
言草ではないが、「人間に二通りある――一方の人はじりじり年をとる。他方《かたいっ....
「新生」より 著者:島崎藤村
て来てくれた恩人の家の弘の言葉が不図《ふと》岸本の胸へ来た。
「菅《すげ》さんの
言草が好いじゃ有りませんか。『岸本君は時々人をびっくりさせる。――昔からあの男の....
「藁草履」より 著者:島崎藤村
ら、それこそ源は人を見下げた目付をして、肩を動《ゆす》って歩く。ところへ、馬喰の
言草があれでしょう――源が微笑《にっこり》する訳なんです。 殿下の行啓と聞いて....
「赤外線男」より 著者:海野十三
なぐり捨てたときの彼の大きな駭きと奇妙な感激とを思えば、一見思わせたっぷりなこの
言草も、結局大した罪にならないと考えられる。―― さてその日は四月六日で、月曜....
「家」より 著者:島崎藤村
の方へ豊世と私を乗せて、自分は一人乗でそこいらまで送って来ました……後で、豊世の
言草が好いじゃ有りませんか、『もっと私は凄い女かなんかと思っていた、貴方はあんな....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
んだから酷いではないか。ねえ、姉さん。 それに、はじめお雪さんを無理強いにした
言草が、私の内の楓の樹で、それをお雪さんが太く庇って伐らさなかったからこんなこと....
「ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
家、後家と言って貰うまいぞや」と言い返して見せたのも、あの二階だ。そうしたら弟の
言草は、「この婆サも、まだこれで色気がある」と。あまり憎い口を弟がきくから、「あ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
はあまりに早過ぎる。気にかかるのはそれだけのことである。鶴見の経験から推量しての
言草であるが、それを手離しでひっ込めようとする気にはなれない。 鴎外は名を知っ....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
麻呂 情無いことを云う奴だな。……摺鉢とは情無いことを云う奴だ。そんなのは凡人の
言草だ。……せいぜい、下手糞な絵でも見た奴が考え出した形容だろう。……実物を見れ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
。大方あなたが知りながらとぼけて居るんであろうという。
その言いようが憎らしい
言草でありましたが私は其言に対し、そりゃ名高いイギリスの女王でも私はまだお顔を拝....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
した。
御免なさいよ。ここいらの連中が冷かすかも知れないが、
わたしには気取った
言草は出来ない。
わざと気取って見たところでお前さんが笑うだけだ。
それとも笑う....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
セリフの大衆的って奴よ。」三浦は冷かに「あんな、人を喰った、ふざけた、小癪に障る
言草はねえ。」 「何が?」 「いゝえ、大衆的って奴よ。――何でもお値段が安くって....