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言葉の綾
「言葉の綾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
言葉の綾の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
と云っても、思想が本当に風俗という形をとって現われて来たことではないのだ。吾々は
言葉の綾にだまされてはならず、言葉の洒落にひっかかってはならぬ。思想は一つの観念....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
立てず、独りクヨクヨ物をおもう、胸のうやもや、もだくだを、払うも払わぬも今一言の
言葉の綾《あや》……今一言……僅《たった》一言……その一言をまだ言わぬ……折柄《....
「道標」より 著者:宮本百合子
じめた奇妙な調子で進行していた。
食卓でトルストイの家出の話が、何かひっかかる
言葉の綾をひそめて話題になってから程ない或る午後のことだった。ヴェルデル博士、伸....
「「迷いの末は」」より 著者:宮本百合子
れらの情報、説明を現実に照らし合わせて正当に判断するだけの力はない作者の無知が、
言葉の綾では収拾つかぬ程度にまで作品の生地に露出している。それだけであるならば、....
「私たちの建設」より 著者:宮本百合子
がかかっていることを知っている。女のことを一番よく知っているのは女だから、という
言葉の綾で生存の課題が解かれないことは、本能的に理解されているのである。女だから....
「辞典」より 著者:戸坂潤
この場合自分が無政府主義者であるか社会主義者であるか又共産主義者であるかは、単に
言葉の綾に過ぎない。そう彼は云っている。 政治的活動家としてのディーツゲンはア....
「恋愛論」より 著者:坂口安吾
きまっていて、永遠の恋などと詩人めかしていうのも、単にある主観的イメージュを弄ぶ
言葉の綾だが、こういう詩的陶酔は決して優美高尚なものでもないのである。 人生に....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
、うろうろ狼狽するほどの喜び方だった。「渋い顔」なぞと書いているが、違う。あれは
言葉の綾で、他の時は知らず、この時ばかりは、お前の渋い顔なぞいっぺんも見たことは....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
あった。近松でも西鶴でも内的概念よりはヨリ多くデリケートな文章味を鑑賞して、この
言葉の綾が面白いとかこの引掛けが巧みだとかいうような事を能く咄した。また紅葉の人....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
しであった。それ故に寝るという語を避けて言わず、それもまた睡眠のイネに掛けたのも
言葉の綾であった。しかもまた現実に貯えの稲束を出して、庭の上に飾る風がもとなかっ....