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計り
「計り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
計りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
感じないわけにはいかなかった。園はあの落ち着いた態度で書物の言葉の重さを一つずつ
計りながら、そこに蓄えられている滋養分を綺麗に吸い取ってしまいそうに見えた。そし....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
山の頂《いただき》に半ばかかって、手が届きそうにあざやかだけれども、高さはおよそ
計り知られぬ。
(貴僧《あなた》、こちらへ。)
といった婦人《おんな》はもう一....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
て婦人は咽《むせ》びぬ。 これをこの軒の主人《あるじ》に請わば、その諾否いまだ
計りがたし。しかるに巡査は肯《き》き入れざりき。 「いかん、おれがいったんいかん....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
い。山西、陜西、四川以西の地は、ほとんど未踏査の地方で、いかなる大資源が出るかも
計り難い。 東亜の最大強味は人的資源である。生産の最大重要要素は今日以後は特に....
「戦争中止を望む」より 著者:伊丹万作
一の道はいかなる条件にもせよ一旦戦争を終結させて、科学に基礎を置いた国力の充実を
計り、三十年五十年後の機会を覗うこと以外にはあるまいと思う。科学を軽視した報いが....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
知れ無え。こう見ねえ、斯うやって這いずって居る蠅を見て居ると、己れっちよりゃ些度
計り甘めえ汁を嘗めているらしいや。暑さにもめげずにぴんぴんしたものだ。黒茶にレモ....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
ています。貴方はそうは思いませんか。 図書 (沈思す、間)美しく、気高い、そして
計り知られぬ威のある、姫君。――貴方にはお答が出来かねます。 夫人 いえ、いえ、....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
とその潮が動くと、水面に近く、颯と黄薔薇のあおりを打った。その大さ、大洋の只中に
計り知れぬが、巨大なる※の浮いたので、近々と嘲けるような黄色な目、二丈にも余る青....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
それより、高くもない。ずっと低くもない。どれも、おなじくらいな空を通るんだがね、
計り知られないその大群は、層を厚く、密度を濃かにしたのじゃなくって、薄く透通る。....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
が、それは何卒大目に見逃がして戴きます。又私の申上げることにどんな誤謬があるかも
計りかねますので、そこはくれぐれもただ一つの参考にとどめて戴きたいのでございます....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
去る船の波も平らに月の光り水にも空にも満ちて川風に音ある時となりて清涼の気味滴る
計りなり。人に怪しめられ巡査に咎められ懊悩としたる気分も洗い去りて清くなりぬ。た....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
度等一に快適を旨とするのである、目に偏せず、口に偏せず、耳に偏せず、濃淡宜しきを
計り、集散度に適す、極めて複雑の趣味を綜合して、極めて淡泊な雅会に遊ぶが茶の湯の....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
ぬ事かな。いやいや、余り山男の風説をすると、天井から毛だらけなのをぶら下げずとも
計り難し。この例本所の脚洗い屋敷にあり。東京なりとて油断はならず。また、恐しきは....
「活人形」より 著者:泉鏡花
石鉄|戛然火花を散らしぬ。こはかの悪僕八蔵が、泰助に尾し来りて、十分油断したるを
計り、狙撃したりしなり。僥倖に鏡を見る時、後に近接曲者映りて、さてはと用心したれ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
いなかったが、満州事変以来努力しつつあったその軍備は、いつ態度を強化せしむるかも
計り難い。即ち日本は十年前の如く露国の崩壊に乗じ、主として米国を相手とし、戦争を....