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「訊く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

訊くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
聖書」より 著者:生田春月
れぬ褐色のきたない三六版ほどの厚い書物が載っていた。 「先生、それは何です?」と訊くと、 「まあ見たまえ」と、ワイルドの『デ・プロフンディス』や、Kさんの大好き....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
」 「いや、いかにも。」 「ああ、よく無事だったな、と私が言うと、どうして? と訊くから、そういうのが、慌てる銃猟家だの、魔のさした猟師に、峰越しの笹原から狙い....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
すよ。」と言いながら、一人が、下からまた差覗いた。 「家の娘かね。」 と子爵が訊く。差向いに居た民弥が、 「いいえ。」 「何です。」 「やっぱり通り魔の類でし....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
のお姿が見えなくなりました。」 と饂飩屋は、渋団扇を筵に支いて、ト中腰になって訊く。 八 差配は溜息と共に気取って頷き、 「いつ、どこでと云っ....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
逢わせた、とこう私は思う。…… ――どちらの御蝋でござんすの―― また、そう訊くのがお極りだと申します。……三度のもの、湯水より、蝋燭でさえあれば、と云う中....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
一 「杢さん、これ、何?……」 と小児が訊くと、真赤な鼻の頭を撫でて、 「綺麗な衣服だよう。」 これはまた余りに情ない....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
非お目にかかるとの仰せでございます。何事もすべてお心易く、一|切の遠慮を棄てて、訊くべきことは訊き、語るべきことは語ってもらいます。あなた方が地の世界に降り、い....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
い地租の追徴であった。もう一人は何のこったか好く解らなかった。彼等は阿Qにわけを訊くと、阿Qは臆面なく答えた。「乃公は謀叛を起そうと思ったからだ」 阿Qは午後....
狂人日記」より 著者:井上紅梅
ないかな。きょうは大層いい天気だよ」 天気もいいし月も明るい。だが乃公はお前に訊くつもりだ。 「うまく行ったかえ」 彼はいけないと思っているのだろう。あいま....
不周山」より 著者:井上紅梅
で包み、顔色には失望と恐怖が表れている。 「今のは何ごとだね?」彼女は自ずとそう訊くのであった。 「ああ、天は喪を降されました」その一つがいとも悲しそうにいった....
村芝居」より 著者:井上紅梅
たしはひどく極りが悪くなって顔がほてって来た。 同時に頭の中で、もう決して人に訊くもんじゃないと思った。そこで子役を見ても、女形を見ても立役を見ても、どういう....
初雪」より 著者:秋田滋
思うと、また、 「いいなあ。火ッてものは実にいいよ」 時にはまた、こんなことを訊くこともあった。 「何か変ったことでもあったかね? どうだい、ご機嫌は?」 ....
」より 著者:犬田卯
かと聞くと、かぶりを振って、ぽんぽが痛えんだという。手水に行きたいんではないかと訊くと、いやいやする。じゃ、どうすればいいんだといっても、ただ泣いてばかりいて、....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
ではいくら、どこそこではいくら引っかけられたという話の末に、お宅でもですぺね、と訊くから、少しばかりやられた……しかし問題なのは残されたこの仕事だ、すっかり信用....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
僕等に返事をした後、聞えよがしにこんなことをいった。 「みんな天神様のことばかり訊くのね。」 僕はちょっと忌々しさを感じ、この如何にもこましゃくれた十ばかりの....