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記す
「記す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
記すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「良夜」より 著者:饗庭篁村
はこれまでにて筆を措くべし。これよりして悦び悲しみ大憂愁大歓喜の事は老後を待ちて
記すべし。これよりは予一人の関係にあらず。お梅(かの女の名にして今は予が敬愛の妻....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
のです。しかし私は歌の事より、文字の事を話さなければなりません。人麻呂はあの歌を
記すために、支那の文字を使いました。が、それは意味のためより、発音のための文字だ....
「出来上った人」より 著者:芥川竜之介
に詩人室生犀星には言い及んだから、今度は聊か友人――と言うよりも室生の人となりを
記すことにした。或はこれも室生の為に「こりゃ」と叱られるものかも知れない。....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
たものと思われます。私は、最近にその友人への絶交状を送りました。
私は、事実を
記すのに忙しい余り、その時の妻が、妻の二重人格にすぎない事を証明致さなかったよう....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
いのである。今や製本成り、紀念として之を座右に謹呈するに当たり、この由来の一端を
記すこと爾り。 淺野正恭 霊界通信――即ち霊媒の口を通じ或は手を通じて霊界居住....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
であるから、有名なデンマークの史家トロェルス・ルンド(Troels Lund)の
記すところによってここにその演説の一部の抜粋を試みようと思う。 ティコはこう言....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
十五日の時事新報に掲載せり。実に先生|発病の当日なり。本文と関係あるを以て茲に附
記す。 石河幹明|記 瘠我慢の説に対する評論について 碩果生 去る十....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
を、奥へ引込んだ格子戸わきの、三畳の小部屋で。……ああ、他事ながらいたわしくて、
記すのに筆がふるえる、遥々と故郷から引取られて出て来なすっても、不心得な小説孫が....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
こに適例がある、富岡門前町のかのお縫が、世話をしたというから、菊枝のことについて
記すのにちっとも縁がないのではない。 幕府の時分旗本であった人の女で、とある楼....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
に能の仕舞もまじって、序からざっと覚えてはいるが――狸の口上らしくなるから一々は
記すまい。必要なのだけを言おう。 必要なのは――魚説法――に続く三番目に、一、....
「雪霊続記」より 著者:泉鏡花
ツと身を一方に開くと、一人、真すぐに進んで、正面の黒板へ白墨を手にして、何事をか
記すのです、――勿論、武装のままでありました。 何にも、黒板へ顕れません。 ....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
の、いずれ什物であった。 さて、遺憾ながら、この晴の舞台において、紫玉のために
記すべき振事は更にない。渠は学校出の女優である。 が、姿は天より天降った妙に艶....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
霜柱のごとく光って、銃には殺気紫に、莟める青い竜胆の装を凝らした。筆者は、これを
記すのに張合がない。なぜというに、咄嗟に拳銃を引出すのは、最新流行の服の衣兜で、....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
でんの香が芬とした。もう一軒、鮨の酢が鼻をついた。真中に鳥居がある。神の名は濫に
記すまい……神社の前で、冷たい汗の帽子を脱いだ。 自動車が来たので、かけ合った....
「妖術」より 著者:泉鏡花
立って、電車を待合わせていたのが、舟崎という私の知己――それから聞いたのをここに
記す。 舟崎は名を一帆といって、その辺のある保険会社のちょっといい顔で勤めてい....