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「記名〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

記名の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
単独行」より 著者:加藤文太郎
霧かかりたれば引返し、すりばちクボに小屋あることを知りそれへ下山、小屋二ツあり、記名をなし、なお下れば道特に悪し、本コース中第一の難路ならん、暗くなり一層困難せ....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
目配せをしたので、川北老が、「はい。それでようがす」 と返事をした。 臼井は記名|捺印《なついん》をして、その預り証を川北老に手渡した。川北老はそれをすみれ....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
憲兵が、廻ってきた。 「ロンドンへは、どういう用件でいかれますかね」 憲兵は、記名の切符を、アンへ戻しながら、油断のない目で、アンを見つめた。 「夫が、このと....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
ものが、批評されるものの立っている場合よりももっと高い、従ってもっと一般的な、無記名的な立場に立たねばならぬという根本関係が、いつでもそこで物を云っているのを無....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
すように言葉をきった。 青木などは頭になかった。この名刺持参の者、と、わざと無記名の紹介状を青木に持たしてよこした大庭長平が憎いのである。御引見の栄をたまわり....
人造物語」より 著者:海野十三
育の博物館には、人造人間の番人が居て観覧人が入って行くと、「どうぞ、記録帖に、御記名下さい」と呼びかけて来るそうである。 この種の人造人間は、泥棒よけには、も....
村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
駕籠。サッサッサッと足並を揃え、深夜の町を掠めるがように、北を指して消えて行く。記名の傘が死骸の側に、忘れてあったという所から、浪人藤掛道十郎が下手人として認め....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
側の板壁一面に、撃剣道具がかけつらねてあり、それと向かい合った右側には、門弟衆の記名札が、ズラとばかり並んでいた。審判席にすわっているのは、四十年輩の立派な人物....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
うるのであろう。 社務所の一室で、私たちは持参のお弁当をひらいた。参拝の人々の記名帳をひらくと、阿佐ヶ谷文士一行が来ておって太宰治の署名もあったが、呆れたこと....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
す。その梅なども、もとよりありません。昔駒寄せのあった向側に机を並べて、来会者に記名させる人々が待っています。筆を持ちますと、知人の名が目に附いて、もう来ていら....
平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
るのを栞として、熊笹を分けたり蹈んだりして進んで行く、自分は友人の保阪定三郎氏の記名がある樹木を視てすこぶる可懐しく感じた、この辺は総て燧岳の裾野である、只見川....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
文を誦す。儀式の時間およそ三十分なり。終わりて住職の休息室に至り、おのおの帳簿に記名して結婚を証す。その後、両人同車して新婦の父母の家に至りて朝餐の席につく。そ....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
も少からぬ事が想像される。 浅草弾左衛門はもと摂津池田から鎌倉へ年寄治右衛門と記名してある。また享保六年の留書にも、今出川治右衛門の名が見えている。思うに治右....
予謀殺人」より 著者:妹尾アキ夫
した家はもぬけのからになっていた。ただ調べて分ったことは、殺人のあった直後、彼は記名の財産を無記名の財産にとりかえ、付近の人々の視界から遠のいてしまったというこ....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
行手西北の方を望むと、近く大鼇の背に似た湯沢山(根名草山の南方にある山で、地図に記名してなく、又名を知らない、湯沢の源頭にあるから仮に湯沢山と命名したのである)....