»
訛り
「訛り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
訛りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
」を S-rya と発音する田舎訛《いなかなま》りを改めなかった。お鈴はこの田舎
訛りにいつか彼女の心もちも或気安さを持ち出したのを感じた。同時に又|襖《ふすま》....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
釣合いと云ってもいいほどに年の若い、二十七、八の上品な婦人で、ことばに幾分の奥州
訛りを残していながらも、身装も態度も江戸馴れしていた。その上に、誰に対しても愛想....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
くらか作り声をしているらしいので、これもよくは判らなかったが、その声音に著しい国
訛りはきこえないようであったと長左衛門は云った。かれは持参の生首というのは確かに....
「蠅男」より 著者:海野十三
の顔が、階段の上で待っていた。帆村はドクトルのその声の隅に、何処か聞き覚えのある
訛りを発見した。 ドクトルは帆村を案内して、書斎のなかに導き入れた。帆村はその....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
十人ばかり乗せ、櫓台の下へ田舟を漕ぎ近づけて、材木屋の貝原が、大声を挙げた。飛騨
訛りがそう不自然でなく東京弁に馴致された言葉つきである。 「お手本をも一度みんな....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
ことが漢文で書いてあった。 ――杭州に金華将軍なるものあり。けだし青蛙の二字の
訛りにして、その物はきわめて蛙に類す。ただ三足なるのみ。そのあらわるるは、多く夏....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ゃないかと思われます。わたくしもあの地方の生まれですからよく知っていますが、詞の
訛りがどうもそうらしく聞えました。加賀屋の若いおかみさんも女中も熊谷の人ですから....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
サイダーのように、うまい空気であった。 「おお生きていたか」 外から、アメリカ
訛りの英語がきこえた。 武勇伝 地底戦車中から、はいだして、今、三人は、....
「わがまま」より 著者:伊藤野枝
て、グッと下腹に圧しつけながら目をつぶった。 いつもはこの汽車の中で聞く言葉の
訛りがいかにもなつかしく快よく響くのだが、今日はそれどころではない。彼女は連れの....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
チイユの広場へ行くのはどう行ったらいゝでしょう。」 娘の言葉にはロアール地方の
訛りがあった。手に男持ちのような小型の嚢を提げていた。 夫人は娘の帽子の下に覗....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
夜は非番で遊びに来たのである。彼は東京から来たという私に対しては、おばん式の土地
訛りを聞かせなかった。東北弁の重い口ながらも彼は淀みなしにいろいろの話を仕掛けて....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
、見る島、ゆく島の人たちによって残酷に追われていた。キューネのだれにも分るドイツ
訛りと、戦争が終ったか終ったかと聴くような怪しい男には、どの島民も胡乱の眼をむけ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
」 采女が門口から案内を求めると、一人の若侍が長巻をかかえて出て来た。彼は中国
訛りで訊いた。 「どなたでござる。」 「それがしらは執事殿の館からまいった者。夜....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
のつん曲がった者や、正面を切って台詞の言えない者や、男か女かわからない者や、国|
訛りを丸出しの者や、種々さまざまの欠点が見出だされないではなかったが、大体におい....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
知らる。 ○三月、中村座の二番目に新作「偽織大和錦」を初演。仲蔵の馬子丑蔵が田舎
訛りのベエベエ詞のゆすり場、大好評。 ○片岡我童、片岡我当の兄弟、大阪より上京し....