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訝
「訝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
訝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
勒寺橋《みろくじばし》まで行けば好いんです。」
「弥勒寺橋?」
牧野はそろそろ
訝《いぶか》るよりも、不安になって来たらしかった。それがお蓮には何とも云えない、....
「路上」より 著者:芥川竜之介
み終るとまた野村の手紙をひろげて見て、その達筆な行《ぎょう》の上へ今更のように怪
訝《かいが》の眼を落した。この手紙の中に磅※《ほうはく》している野村の愛と、あの....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
その声があまり大きかったせいか、向うのテエブルにいた芸者がわざわざふり返って、怪
訝《けげん》な顔をしながら、こっちを見た。が、老紳士は容易に、笑いやまない。片手....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
けたのである。お伽噺《とぎばなし》のみしか知らない読者はこう云う彼等の運命に、怪
訝《かいが》の念を持つかも知れない。が、これは事実である。寸毫《すんごう》も疑い....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
のですが、――」
「見たと言って好いか、見ないと言って好いか、――」
※南田は
訝《いぶか》しそうに、王石谷の顔へ眼《め》をやった。
「模本《もほん》でもご覧に....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
。これじゃ婆娑羅《ばさら》の神と云うのも、善だか悪だかわからなくなった。」と、怪
訝《けげん》そうに話して聞かせるのです。こう云う話を聞くにつけても、新蔵はいよい....
「或る女」より 著者:有島武郎
、わたしが自分で行って見てやるから」
葉子にはそこにいる岡さえなかった。少し怪
訝《けげん》そうに葉子のいつになくそわそわした様子を見守る青年をそこに捨ておいた....
「或る女」より 著者:有島武郎
、おーい、おい、おい、おい、おーい……あれは何?」
「なんだそれは」
倉地は怪
訝《けげん》な顔をして葉子を振り返った。
「あの声」
「どの」
「海の声……人を....
「星座」より 著者:有島武郎
鞄は」
と小母さんは怪しむように尋ねた。
「今お話します」
園は小母さんの怪
訝《けげん》そうな顔に曖昧《あいまい》な答えをしながら、美しい楕円の感じのする茶....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
京であった。 実は―――― 「……小説が上手に書けますように……」 どうも可
訝しい、絵が上手になりますように、踊が、浄瑠璃が、裁縫が、だとよく解えるけれども....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
、突然、お支度はって、お聞きだから、変だと思って、誰も来やしないものを。」とさも
訝しげに、番頭の顔を熟と見ていう。 いよいよ、きょとつき、 「はてさて、いやど....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
いました。」 としっかと膝に手をかけて、わッとまた泣きしずむ。廉平は我ながら、
訝しいまで胸がせまった。 「私と言われて、お喜びになりますほど、それほどの思をな....
「活人形」より 著者:泉鏡花
泰助も続いて入込み、突然帳場に坐りたる主人に向いて、「今の御客は。と問えば、
訝かしげに泰助の顔を凝視しが、頬の三日月を見て慇懃に会釈して、二階を教え、低声に....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
前の人間でなくて、昔話にあるような、異形の怪物であっても、この刹那にはそれを怪み
訝るものはなかったであろう。まだ若い男である。背はずっと高い。外のものが皆黒い上....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
家に帰りしは、十時近にして、廊下に涼を納れ居たる家族は、其の思いがけ無き早帰りを
訝りぬ。されども、漁史は、発刺たる鮮鱗以外、大なる獲物を挙げしを喜び、此の夜は、快き夢を結びき。....