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訣別
「訣別〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
訣別の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
君の関するところにあらず。今やわが心霊界はおもむろに薄暮に沈まんとす。予は諸君と
訣別《けつべつ》すべし。さらば。諸君。さらば。わが善良なる諸君。
ホップ夫人は....
「大島が出来る話」より 著者:菊池寛
、多くの縁者親戚が介在し、譲吉は単なる会葬者の一人として、遠くから、夫人の遺骸に
訣別《けつべつ》の涙を手向《たむ》けたに過ぎなかった。 京都からワザワザ上京し....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
隔を一本の棒で固定したり、かようなあまりにも素朴な機械主義とは、もういいかげんに
訣別したいものである。 人間がこんなにも機械の侮辱にあまんじていなければならぬ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
れの挨拶を取交わして、ここに、別々の行動をとることになった。 いつもであると、
訣別に際し、各艦は水平線上に浮かびあって、甲板上に整列し、答舷礼を以て、お互の武....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
魂魄此土ニ止リテ七生報国ヲ誓フモノナリ 一、時期急迫ノ為メ、親族知己友人諸兄姉ニ
訣別スル余裕無カリシヲ遺憾ニ思フ、乞フ恕セヨ 一、御近所ノ皆々様、御挨拶モ申サズ....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
かれはこれをなげうって粉砕する。 その式は終わった、客は涙をおさえかね、最後の
訣別をして室を出て行く。彼に最も親密な者がただ一人、あとに残って最期を見届けてく....
「大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
合し、東軍を嶮隘に邀え、三人討死するか両将軍の首をとるかを決せん」と。軒昂として
訣別の杯をかわした。 幸村は、大名の次男だし、基次は士大将に過ぎない。それでい....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
なし」とある。少し仏法臭を帯びては居るが、秋霜烈日の如き遺言である。名高い桜井の
訣別の際の教訓にしてもそうだが、兎に角|斯うした一種の忠君的スパルタ教育で、小楠....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
い感じはしなかった。 入港がまだ終らないうちに、隆夫のたましいは汽船ゼリア号に
訣別《けつべつ》をし、風のように海の上をとび越えて、海岸へ下りた。 不潔きわま....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ました。で、私の臨終が近づきました時には、私は若月を庭前へ召んで貰って、この世の
訣別を告げました。『汝にもいろいろ世話になりました……。』心の中でそう思った丈で....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
続し、筋のいい漢学者であった。この先生は後見出されて広島の中学に栄転したが、その
訣別の辞にも、「私は庄原を忘れるのではない、しかし人間はどこまでも向上して行かね....
「S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
ることもないとは限りません。決断が物を言うところです。自分の所属するある団体との
訣別がそれです。 この間の消息をとくと胸に畳んでおかぬと、すべての行動は、社会....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
くだろう小説の可能性に関しては、一行の虚構も毛嫌いする日本の伝統的小説とはっきり
訣別する必要があると思うのだ。日本の伝統的小説にもいいところがあり、新しい外国の....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
そうだ。そうかと思うと一方には、代がわりした『毎日新聞』の翌々日に載る沼南署名の
訣別の辞のゲラ刷を封入した自筆の手紙を友人に配っている。何人に配ったか知らぬが、....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
日後、ド・メッスは帰国の用意を始めた。使命はついに果たしえなかったのである。彼は
訣別の挨拶にエセックスを訪問した。エセックスは、陰気な鄭重さで迎えた。彼はスペイ....