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訴える
「訴える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
訴えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
る、先生の心もちなぞと云うものは、元より自分たちに理解されよう筈がない。それより
訴えると云うその事実の、滑稽《こっけい》な側面ばかり見た自分たちは、こう先生が述....
「路上」より 著者:芥川竜之介
でいた。
「どうしたのです。気味が悪いんですか。」
辰子は水々しい眼を挙げて、
訴えるように俊助の顔を見た。
「いいえ、可哀《かわい》そうなの。」
俊助は思わ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
を弄《ろう》する事は、何となく彼には不快であった。と云って彼自身、彼の心を相手に
訴えるだけの勇気もなかった。若者は彼の醜い顔に躊躇《ちゅうちょ》の色が動くのを見....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
物は何よりも先に天上の神に似たものである。第一に歓喜を語るのに好い。第二に不平を
訴えるのに好い。第三に――いてもいないでも好い。
罪
「その罪を憎んで....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
に苦い経験を嘗《な》めている。そこで、彼は、今まで胸中に秘していた、最後の手段に
訴える覚悟をした。最後の手段と云うのは、ほかでもない。修理を押込め隠居にして、板....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
や》く仁右衛門を見付けてこういうと、仁右衛門の妻は恐れるように怨《うら》むように
訴えるように夫を見返って、黙ったまま泣き出した。仁右衛門はすぐ赤坊の所に行って見....
「片信」より 著者:有島武郎
から当然消滅せねばならぬブルジョアの一人として、そうした覚悟をもってブルジョアに
訴えることに自分を用いねばならぬ。これがだいたい僕の主張なのである。僕にとっては....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
芸術は超階級的超時代的な要素を持っているもので、よい芸術は、いかなる階級の人にも
訴える力を持っている。それゆえ私が芸術家としての立場を、ブルジョア階級に定め、そ....
「宣言一つ」より 著者:有島武郎
種たるを失わないのと同様であるだろう。したがって私の仕事は第四階級者以外の人々に
訴える仕事として始終するほかはあるまい。世に労働文芸というようなものが主張されて....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
のみが創造を司り、他はこれに与らないものだとするなら、どうして芸術品が一般の人に
訴えることが出来よう。芸術家と然らざる人との間に愛の断層があるならば、芸術家の表....
「橋」より 著者:池谷信三郎
気力もなく、川岸へ出る露路の角で別れてしまった。 シイカはちょっと振り返ると、
訴えるような暗い眼差しを、ちらっと彼に投げかけたきり、くるりと向うを向いて、だら....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
じっと見て居りますると、その男はせかせかとはずむ呼吸を鎮めも敢えず、斯んなことを
訴えるのでした。―― 『神さま、何うぞ私の一|生の願いをお聴き届け下さいませ……....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
によりて、それが果して神の啓示であるか否かを決定したのであった。われ等も亦理性に
訴える。ヘブルューの予言者を指導した者のみが断じて神の唯一の使徒ではない。われ等....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
つもりか」 杜子春はちょいとためらいました。が、すぐに思い切った眼を挙げると、
訴えるように老人の顔を見ながら、 「それも今の私には出来ません。ですから私はあな....
「活人形」より 著者:泉鏡花
が、高田の業突張、大層怒ってな。お藤がなくなったら即金で千円返せ、返さなけりゃ、
訴えると言い募って、あの火吸器だもの、何というても肯くものか。すんでに駈出そうと....