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「註文〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

註文の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
ある。のみならず弔辞を作ることには興味も何も持っていない。云わば現在の堀川保吉は註文を受けた葬儀社である。何月何日の何時までに竜燈《りゅうとう》や造花を持って来....
彼 第二」より 著者:芥川竜之介
《わけ》には行《ゆ》かなかった。 「僕はその『桃子へ』の下に僕の名を入れるように註文《ちゅうもん》したんだけれど。」 それはあるいは職人の間違いだったかも知れ....
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
したのと余り変らない返事をした。 「あの女は黄の情婦だったんだよ。」 僕は彼の註文通り、驚嘆する訣《わけ》には行かなかった。けれども浮かない顔をしたまま、葉巻....
水の三日」より 著者:芥川竜之介
めた義捐金の残額を投じて、諸君のために福引を行うことにした。 景品はその前夜に註文《ちゅうもん》した。当日の朝、僕が学校の事務室へ行った時には、もう僕たちの連....
桃太郎」より 著者:芥川竜之介
次第に持たせることにした。のみならず途中の兵糧《ひょうろう》には、これも桃太郎の註文《ちゅうもん》通り、黍団子《きびだんご》さえこしらえてやったのである。 桃....
路上」より 著者:芥川竜之介
埃風《ほこりかぜ》の吹く午後だった。俊助は大学から銀座の八咫屋《やたや》へ額縁の註文に廻った帰りで、尾張町《おわりちょう》の角から電車へ乗ると、ぎっしり両側の席....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
おじ》を尋ねに、Nさんはまた同じ村の籠屋《かごや》へ庭鳥《にわとり》を伏せる籠を註文《ちゅうもん》しにそれぞれ足を運んでいたのだった。 浜伝《はまづた》いにS....
魚河岸」より 著者:芥川竜之介
代の日本橋は、とうてい鏡花の小説のように、動きっこはないとも思っていた。 客は註文を通した後《のち》、横柄《おうへい》に煙草をふかし始めた。その姿は見れば見る....
星座」より 著者:有島武郎
り、年のところに行くと少し明きすぎるようだが、わしらのような暮しでは一から十まで註文どおりにいかないのは覚悟していてくれんと埒《らち》はあくものではないぞ。……....
美術曲芸しん粉細工」より 著者:阿部徳蔵
へると、決断も早いがすぐ右から左へやつてしまふ気性である。で彼は、早速小さい車を註文した。そしてその車の上へ三段、段をつくつてその上へ梅だの桃だの水仙だのゝしん....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
で懺悔いたして置きます。 私が持ちかけた難題の一つは、早く良人に逢いたいという註文でございました。『現世で怨みが晴らせなかったから、良人と二人力を合わせて怨霊....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
たが最後、碌な働きはできなくなるに決っている。『肉体が健全で』――まことに困難な註文であるが、実際それでなければ、完全に顕幽の境を突破して、百代に光りかがやくよ....
歯車」より 著者:芥川竜之介
を与えるのも考えものに近いカッフェだった。僕は隅のテエブルに坐り、ココアを一杯|註文した。テエブルにかけたオイル・クロオスは白地に細い青の線を荒い格子に引いたも....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
で、おかみさんがデンマルク語を知らないことがわかったので、こんどはドイツ語で同じ註文をくり返しました。その言葉と服装から、おかみさんは、この客をてっきり外国人だ....
色盲検査表の話」より 著者:石原忍
ですが、そのうちにまず北欧スカンジナビア諸国においてその真価が認められ、ぽつぽつ註文が来るようになり、大正十二年には北欧諸国の船員及び鉄道員の色神検査法を定める....