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証拠
「証拠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
証拠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
く、眼《ま》ばたきを一つした。
「しかし、英雄の器《うつわ》じゃありません。その
証拠は、やはり今日の戦ですな。烏江《うこう》に追いつめられた時の楚の軍は、たった....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
四書五経の講釈だけでげしょう。だからまた当世のことは、とんと御存じなしさ。それが
証拠にゃ、昔のことでなけりゃ、書いたというためしはとんとげえせん。お染《そめ》久....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
「高の知れた食蜃人なぞを、何でこの私《わたくし》が怖《こわ》がりましょう。その
証拠には、今ここで、訳《わけ》なく私が退治して御覧に入れます。」と云いながら、斑....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
に、打ち込むのが自然だと考えるんだ。小えんは諸芸を仕込ませるのも、若槻に愛のない
証拠だといった。僕はこの言葉の中にも、ヒステリイばかりを見ようとはしない。小えん....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
、もう一時代前の政治的夢想家に似通《にかよ》っている所があったようです。
「その
証拠は彼が私と二人で、ある日どこかの芝居でやっている神風連《しんぷうれん》の狂言....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
い。悪魔はアントニオ上人《しょうにん》にも、ああ云う幻を見せたではないか? その
証拠には今日になると、一度に何人かの信徒さえ出来た。やがてはこの国も至る所に、天....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
する愛なるものも、実はこの欲望を美しくした、感傷的な心もちに過ぎなかった。それが
証拠には、袈裟との交渉が絶えたその後の三年間、成程《なるほど》己はあの女の事を忘....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
。
「僕の鶯鶯《おうおう》? そんなものがあるものか。」
「嘘をつき給え。論より
証拠はその指環じゃないか。」
なるほど趙生《ちょうせい》が指さした几《つくえ》....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
。それを強《し》いてお目通りへ持って参れと御意《ぎょい》なさるのはその好《よ》い
証拠ではございませぬか?」
家康は花鳥《かちょう》の襖越《ふすまご》しに正純の....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
ない。第一なたらの夜《よ》に捕《とら》われたと云うのは、天寵《てんちょう》の厚い
証拠ではないか? 彼等は皆云い合せたように、こう確信していたのである。役人は彼等....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
主張を容《い》れてくれる婦人雑誌もあるはずですから。
保吉の予想の誤らなかった
証拠はこの対話のここに載ったことである。
(大正十三年三月)....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
云う語の持っている一切の俗気を洗ってしまえば、正に菊池は立派な苦労人である。その
証拠には自分の如く平生好んで悪辣な弁舌を弄する人間でも、菊池と或問題を論じ合うと....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
の業であるが、あとのほうの女をしっかり逃さずにおければ、なおいっそうの軍略がある
証拠である。この砦を守るにはありとあらゆる入口や窓で防戦しなければならないのだ。....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
れた。犯人の捜索が始った。ああ。 九月一日―― 浮浪人が二人あげられた。が、
証拠があがらなかった。 九月二日―― 殺された子の両親が私に面会に来た。彼等....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
々苦心の末に、この山奥にお捨て申して、律儀な百姓の手に御養育いたさせたのだ。その
証拠はお子を拾い上げた者が所持しているはずだ。とにかく一刻も早く吉松殿にお目通り....