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証書
「証書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
証書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
ように、さんざんその柿を投げつけたと云う。しかし蟹は猿との間《あいだ》に、一通の
証書も取り換《か》わしていない。よしまたそれは不問《ふもん》に附しても、握り飯と....
「或る女」より 著者:有島武郎
た。とうとう倉地は自分のために……葉子は少し顔色を変えながら封を切って中から卒業
証書のような紙を二枚と、書記が丁寧に書いたらしい書簡一封とを探り出した。
はた....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
を剥がすと真黒になった三文判がころがり出た。彼れはそれに息気《いき》を吹きかけて
証書に孔《あな》のあくほど押しつけた。そして渡された一枚を判と一緒に丼の底にしま....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
古道具屋の店を開き、手広く商売が出来ていたものだが、全然無筆な男だから、人の借金
証書にめくら判を押したため、ほとんど破産の状態に落ち入ったが、このごろでは多少回....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
な研究で定期間に済んだ同期生たちは半年前の秋に論文が通過して、試験所研究生終了の
証書を貰ってそれぞれ約定済の任地へ就職して行った。彼は、鼎造にしばらく帰京の猶予....
「金属人間」より 著者:海野十三
川内警部は、やっぱりそのことを針目博士にたずねた。 「研究用に買い入れたんです。
証書もあるが見ますか」 「ええ、見せていただきましょう」 警部はけっきょくその....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
… ロンドン駅についてから、彼は一旦警視庁の手に渡り、それからものものしい借用
証書に署名して、やっと放免された。 それから彼は、乗車賃の借りをかえすためにも....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
り先に見たって差支えあるまいと、サリサリと封を切ってみると、手紙と共に数枚の為替
証書だった。 そのとき、誰か部屋にはいって来る気配がしたので、圭子は咄嗟に手紙....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
跫音を聞くように思ったりして――。 私は今晩、かねて私の義務であったので、公正
証書のために彼の動産表を作ろうと思って、船長室へはいってみると、すべての物は以前....
「郷愁」より 著者:織田作之助
ば、片輪に出来たとはいえ、やはりわが子のように可愛く、自分で持って行って、書留の
証書を貰って来なければ、安心出来ないという気持もあった……。電車はなかなか来なか....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
上は一歩も仮借する段ではありません。如何なる処分を受けても苦しくないと云う貴方の
証書通り、私の方では直ぐにも実行しますから」 何一つ道具らしい道具の無い殺風景....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
験を受けないでも免状を与えようという校長の内諭もあったが、気に喰わない学校の卒業
証書を恩恵的に貰う必要はないと、キビキビ跳付けてプイと退学してしまった。 が、....
「城」より 著者:カフカフランツ
していましたが、そのとき父の前に立っていました。そして、組合が父を免職したこと、
証書の返却を求めていることを、父に伝えなければならないのだ、というのです。ちょう....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
・リンボチェ決して肯くことは出来ません。」この誓いを得さえすればチベットでは公正
証書を取ったよりも確かなものである。そこで私は「そんなら無理に頼む必要もない」と....
「活人形」より 著者:泉鏡花
三その時膝押向け、「高田|様、じゃ、お約束通り証文をまいて下さい。高田は懐中より
証書を出して、金一千円也と、書きたる処を見せびらかし、「いかにも承知は致したが、....