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「詛い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

詛いの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
にかかってお果てなされた。祖父さまは娘の福慈の神のつれない待遇を恨まれ、娘の神に詛いをかけたのみか、執着は、峯のしら雪に消え痕ともなって自形《じぎょう》の人型を....
食魔」より 著者:岡本かの子
は、鼈四郎には自分が電気を響かせるようで軽蔑しながら気持がよいようになった。世を詛い剰って、意地悪く吐出す罵倒や嘲笑の鋒尖を彼女は全身に刺し込まれても、ただ情無....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
れて介抱した。で自分も病人になった。 病人が病人を拵えて行った。 呻吟の声、詛いの声、詈る声、悲しむ声――四方の辻で聞こえていた。 夜はもうかなり深かった....
十二支考」より 著者:南方熊楠
、汝の機嫌が向おうが向くまいが、今汝が居る処に永く留まれと命じ、兼ねて上帝が汝を詛いしところのものを以て汝を詛う」というのだ(チャムバースの『ブック・オブ・デイ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
四頁にいわく、一説に帝釈瞿曇の妻に通じた時アンジャニ女帝釈を助けた故、瞿曇これを詛いて父《てて》なし子を生むべしという。アンジャニ惧《おそ》れて腰まで地中に埋め....
十二支考」より 著者:南方熊楠
、皆々かく渡世すと答えた。竜神に男子の早世多きも何かその理由あり。決して比丘尼の詛いに由らぬはもちろんながら、この辺、昔の熊野街道で色々土人が旅客を困らせた事あ....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
もこっちにも転がっていた。 呻く者、泣く者、喚く者、縛られたまま転げ廻る者、呪詛いの声を上げる者、……部屋の内はそれらの声で、阿鼻地獄を呈していた。 人の類....
源氏物語」より 著者:紫式部
」 と宮がお言いになるのを聞いて、夫人はいよいよ猛り立つばかりで、源氏夫婦への詛いの言葉を吐き散らした。この夫人だけは善良なところのない人であった。 大将は....
源氏物語」より 著者:紫式部
もあるように、曲がった恨みをかけておいでになるのであるから、この話を聞いた時に、詛いが成就したように思うことであろうなどと、穏やかな性質の夫人もこれくらいのこと....
歯車」より 著者:芥川竜之介
実際硝子戸越しに果物を眺めた僕自身だった。僕は二度も僕の目に浮んだダンテの地獄を詛いながら、じっと運転手の背中を眺めていた。そのうちに又あらゆるものの※であるこ....
朝顔日記の深雪と淀君」より 著者:上村松園
服装も一向に引立たないで、お気の毒な気もしますし、時には浅ましくさえなって現代を詛いたくなります。 流行っても流行らなくても自分に似合ったところはこれだと思っ....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
ば、ついには窃盗常習者ともなり、切取強盗の恐るべきものともなります。いわんや世を詛い、時を憤る、元気の盛んな、かつ腕っ節の強い連中が、一方にはたまたま免れて、不....