詠嘆[語句情報] »
詠嘆
「詠嘆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
詠嘆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
の背に西洋髪《せいようがみ》の頭を靠《もた》せたまま、全然当面の問題とは縁のない
詠嘆の言葉を落した。
「何だか昔に返ったような気がするわね、この椅子にこうやって....
「乞食学生」より 著者:太宰治
しいからなあ。」少年は、私の拒否を無視して、どんぶりを片手に持ったまま、ひとりで
詠嘆の言葉を発し、うっとりした眼つきをして見せた。「僕は、フランス人の秩序なんて....
「癩」より 著者:島木健作
応じて進んでべらべらとしゃべり出し、自分の犯罪経歴から病歴までをへんに悲しそうな
詠嘆的な調子で語って聞かせ、相手の好奇心を満足させるのであった。――だが今度の新....
「俊寛」より 著者:菊池寛
ながら、さめざめと泣き伏した。が、最初|邂逅の涙は一緒に流したが、しかしその次の
詠嘆には、俊寛は一致しなかった。俊寛は逞しい腕を組みながら、泣き沈む有王の姿を不....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
類が年々に亡びて行く。それは余儀なき自然の運命であるから、特に鳶に対して感傷的の
詠嘆を洩らすにも及ばないが、初春の空にかのトンビ凧を飛ばしたり、大きな口をあいて....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
ている、白山が殆んど全容をあらわして、藍玉のように空間に繋がっている、私は単なる
詠嘆が、人生に何するものぞと思っている、また岩石の集合体が、よし三万尺四万尺と繋....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
する間にこの障壁が消えて二つのものが一つになりいわゆる陪音が鳴り響く。「かな」は
詠嘆の意を含む終止符であるから普通の意味でも切れる切れ字には相違ないが、また一方....
「思い出草」より 著者:寺田寅彦
た。それを、首を左右にふりながら少し舌の滑動の怪しくなった口調で繰り返し繰り返し
詠嘆する。その様子がおかしいので子供はみんな笑いこけたものである。しかし今になっ....
「俳句の型式とその進化」より 著者:寺田寅彦
う本質的内在的な理由もあったであろうが、また一方では、はじめはただ各個人の主観的
詠嘆の表現であったものが、後に宮廷人らの社交の道具になり、感興や天分の有無に関せ....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
とですね? 造麻呂 へえ……… 琴の音。長い間。 御行 (もはや耐えかねたような
詠嘆調にて)ああ、何と云う妙なる楽の音だ。……これが、このあじけない現世のことな....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
がいない。――このきれいな魅力ある青年が、あけすけな態度と子どもっぽい心意気と、
詠嘆的な言葉や目つきをもって、そして、その背高い姿も、きゃしゃな両手も、あるいは....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
力でしずかに細かく対象を感受しているものだということは分ろう。そしてその美しさは
詠嘆調の美しさではなく、感性的な美しさであることもたしかである。こうした美しさは....
「文芸評論の方法について」より 著者:戸坂潤
までつき纏うのである。 その創作的な評論というのが、特に保田与重郎の夫のような
詠嘆文を意味するなら、簡単に無視していい問題だが、文芸評論(一般に評論)も亦文芸....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
できるようなきわめて調法な文字である。 それに次いで「かな」という字は、普通に
詠嘆の意味に用いられるということになっているが、必ず
詠嘆の意味ばかりでもない。軽....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
めた、三尺に足りない草土手である。僕は実際この草土手に「国亡びて山河あり」という
詠嘆を感じずにはいられなかった。しかしこの小さい草土手にこういう
詠嘆を感じるのは....