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試み
「試み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
試みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
御簾の外も、水を打ったように声を呑んで、僧俗ともに誰一人、進んであの沙門の法力を
試みようと致すものは見えません。所詮は長尾《ながお》の僧都《そうず》は申すまでも....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
芸を愛したとすれば、作家堀川保吉は一篇の傑作を著《あら》わすことに威厳を保とうと
試みたであろう。もしまた粟野さんも我々のように一介《いっかい》の語学者にほかなら....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
、それからおよそ半年ばかりの間、あの女と忍び合う機会を作るために、あらゆる手段を
試みた。そうしてそれに成功した。いや、成功したばかりではない、その時、己《おれ》....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
るのである。
その王生がどう云う訳か、去年の秋以来忘れたように、ばったり痛飲を
試みなくなった。いや、痛飲ばかりではない。吃喝嫖賭《きっかつひょうと》の道楽にも....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
《けん》であると云う。――二人は、各々、自説を固守して、極力|論駁《ろんばく》を
試みた。
すると、老功な山崎が、両説とも、至極道理がある。が、まず、一応、銀を....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
出せなくなった本間さんは、そこで苦しまぎれに、子供らしい最後の反駁《はんばく》を
試みた。
「しかし、そんなによく似ている人間がいるでしょうか。」
すると老紳士....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
う》ばかり打ち合いました。その内に数馬はどう思ったか、多門へ体当《たいあた》りを
試みました。どう思ったかと申しますのは日頃《ひごろ》数馬は体当りなどは決して致さ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
芸術家自身と鑑賞家との協力である。云わば鑑賞家は一つの作品を課題に彼自身の創作を
試みるのに過ぎない。この故に如何なる時代にも名声を失わない作品は必ず種々の鑑賞を....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
権利ありや否や? 吾人はかかる疑問の前に断乎《だんこ》として否と答うるものなり。
試みに天下の夫にして発狂する権利を得たりとせよ。彼等はことごとく家族を後《あと》....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
勿論《もちろん》、きのうさえまだ七八人の男女《なんにょ》は浪乗《なみの》りなどを
試みていた。しかしきょうは人かげもなければ、海水浴区域を指定する赤旗《あかはた》....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
う気になった。所が丁度そう云う絶望に陥りかかった去年の秋の事である。自分は最後の
試みとして、両肥《りょうひ》及び平戸《ひらど》天草《あまくさ》の諸島を遍歴して、....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
手を以て甲斐の国にいる蛇笏君に献上したい。僕は又この頃思い出したように時時句作を
試みている。が、一度句作に遠ざかった祟りには忽ち苦吟に陥ってしまう。どうも蛇笏君....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
ば、携え来りし着替を出し、独り夕方より観音へ参詣し、夜に入り蕎麦店へ入りて京味を
試み、ゆらりゆらりと立帰りしところ、裏のうち騒がしく「さても胆太き者どもかな」と....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
かな、著者は自ら顧みて、決してこの二つの条件を備えておるとは思わない。ただ最初の
試みをするのみである。 科学者の中で、特にファラデーを選んだ理由は、第一。それ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
は、物の鏡、事実の鏡であって、宇宙の中で一つ一つの小天地をつくっている。しかし、
試みに旅に出てみよ。雑多な民族が、到る処にうごめいているのを見よ。しからば人は、....