»
試錬
「試錬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
試錬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
酔わされる。文芸の上ばかりでなく温かき心をもってすべてを見るのはやがて人格の上の
試錬であろう。世なれた人の態度はまさしくこれだ。私は世なれた人のやさしさを慕う。....
「成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
自身を幸福にする事は出来ません。 どんな一身上の過失も、自分の意志次第で立派な
試錬になります。過失はただ、恥じたり悲しんだりするのみすべきではありません。私共....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
弄されながら坐禅を続けた。続けざるを得なかったのだ。富士と自分は、いま絶体絶命の
試錬を受けつつあるのだ。この先、どうなって行くのか、一幕々々が命の底から揺り変え....
「拷問の話」より 著者:岡本綺堂
皮膚に蒼白の色を呈するのを合図にその拷問を中止することになっていた。吉五郎はこの
試錬をも通過して、無事に牢内に帰った。かれが今日は海老責に逢うことを牢屋附の下男....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
るのを、からかっているのだ。 イヤ、イヤ。悪魔などを考えてはならぬ。これは神の
試錬であろう。先生は心をとり直して、こう考え直した。 しかし、神は一介の町医者....
「白痴」より 著者:坂口安吾
力に惹かれただけのものであったが、どうにでもなるがいい、ともかくこの現実を一つの
試錬と見ることが俺の生き方に必要なだけだ。白痴の女の一夜を保護するという眼前の義....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
したら、ずいぶん悲しいじゃありませんか。人々はあなたに期待しています。あの大きな
試錬の中から、あなたが何をつかみとってきたでしょうか、と。あなたの場合、私という....
「酒ぎらい」より 著者:太宰治
の中学校の先輩である。もとから、情の深い人であった。五、六年間、いなくなった。大
試錬である。その間、独房にてずいぶん堂々の修行をなされたことと思う。いまは或る書....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
)を包括し、家庭および小さな郷国の狭い境域における、彼の感覚と心情との覚醒から、
試錬までを含む。この
試錬を経て彼は傷つくが、しかし、自己の使命と、自分に課された....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
は其の時です。土地測量器を手にした者共が、諸君の村へやって来るに違いない。諸君の
試錬の火が始まるのです。諸君が果して金であるか? 鉛の屑《くず》であるか? 真....
「狼疾記」より 著者:中島敦
は、どうでもよい。ただ、結果だけが必要なのだが――彼もまた、途中の一切の思索とか
試錬とか、そういうものを抜きにして――そんなものには、とても堪えられない。そんな....
「激動の中を行く」より 著者:与謝野晶子
らず、更に思想的、経済的、政治的、社会的の猛烈な戦争と混乱との中に、劇甚な苦痛の
試錬を受けねばならないのは理由のあることだと思います。 新しい浪曼主義の代表者....
「平塚・山川・山田三女史に答う」より 著者:与謝野晶子
人の微力で、一家を維持し整理して来たのです。他人が中年になって経験する経済生活の
試錬を私は娘時代において嘗め尽しました。或人においては、一生涯かかって経験する苦....
「文化学院の設立について」より 著者:与謝野晶子
うとするものです。量を減じながら、質においては一層深化させて行くつもりです。この
試錬が担任の教授たちの霊活な手腕を要することは言うまでもありません。 修養部の....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
何者でもない気がした。むしろ巌流の地位、名声をして、いよいよ、大ならしめるための
試錬――とすら自負しきっていた。 「先ほどいった、御評議の上で決した試合の場所じ....