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詩風
「詩風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
詩風の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「岩石の間」より 著者:島崎藤村
の年に成るまで真実《ほんとう》に落着く場所も見当らなかったような先生の一生は、漢
詩風の詞《ことば》で、その中に言い表してあった。 その晩、高瀬は隣の屋敷の方へ....
「河明り」より 著者:岡本かの子
能を追い求めることに熱中した時代であって、この主流に対比しては、いよいよ紫苑氏の
詩風は古臭く索漠に見えた。それでも氏の詩作は続けられていた。そのうち、ふと消えた....
「惜別」より 著者:太宰治
いている。藤村の仙台時代の詩は、私も学生時代に、柄でもなく愛誦したものだが、その
詩風には、やはりキリスト教の影響がいくらかあったように記憶している。このように当....
「藤村の文学にうつる自然」より 著者:宮本百合子
る一つの通有性であろう。『若菜集』の後に出た『一葉舟』で、藤村は「鷲の歌」を抒事
詩風にうたっている。ここで藤村は雄渾な自然「削りて高き巖角にしばし身をよす二羽の....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
観主義と共通している。また箇々の詩派について言えば、欧洲の浪漫派や象徴派に属する
詩風は、概して情緒的の音楽感を高調し、古典派や高踏派に属するものは、美術的の静観....
「秦の憂愁」より 著者:豊島与志雄
彼は、文学者仲間に詩人として知られていた。日本語の長詩も数篇発表した。茫洋とした
詩風で、中に鋭利な観察を含んでいた。抒情風の衣をまとった叙事詩、それが本領らしか....
「火の扉」より 著者:岸田国士
浜島茂は某製糸会社の事務員で、何よりも、無名の詩人として、北原ミユキはその清純な
詩風をまず愛したのである。 彼女にとつて、詩人は夢想家であり、彼女を生み育てた....
「郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
方にまた近代の浪漫《ろうまん》詩人や明治の新体詩人やが、後年に至って象徴的傾向の
詩風に入った経過を考える時、少しも誇張の妄想でないことを知るであろう。 夏の部....
「孔子」より 著者:和辻哲郎
った仏像彫刻が作られ始めた。ヴェダやウパニシャドにおいて、思想を表現するにも抒情
詩風の形式をしか用いなかったインド人が、この時以来戯曲的構成を持った雄大な仏教経....