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詮術
「詮術〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
詮術の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ぶがごとく輪《まわ》るを虎が見詰め居る内にその人甦った、手足|圧《おさ》えられて
詮術《せんすべ》ない、ところが虎の陽物|翹然《にょっきり》口に近きを見、極力噛み....
「白くれない」より 著者:夢野久作
り、禁断の像を祭り居る今の和尚は、よも一筋縄にかゝる曲者にはあらじ。よし/\吾に
詮術あり。吾を敵とせば究竟の敵とならむ。又味方とするならば無二の味方となるべしと....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
、摂州高槻辺の六歳の男児馬を追って城下に出て帰るに、雨劇しく川|漲《みなぎ》りて
詮術《せんすべ》なきところに、その馬その児を銜《くわ》えて川を渡し、自ら先導して....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
時分は、もう真夜中で、彼等としては、こうも行ったら、ああも戻ったらという、思案と
詮術《せんすべ》も尽き果てたから、鈍重な愚痴を、思わず駕籠の中なる人に向ってこぼ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
の、かつて、深山越の峠の茶屋で、凄じき迅雷猛雨に逢って、遁げも、引きも、ほとんど
詮術のなさに、飲みかけていた硝子盃を電力遮断の悲哀なる焦慮で、天窓に被ったという....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
御尊父さまの御腹立の処は予て承知致し罷り有るが、実は茂之助殿の儀に就いて奈何とも
詮術有る可からざる処の次第柄に至りまして、何とも申し様も有りません」 佐「えゝ彼....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
《つき》銭七百文に至れば、其日稼《そのひかせ》ぎの貧民等は又|如何《いかん》とも
詮術《せんすべ》なく殆ど飢餓に及ばんとするにぞ、九条村且つ難波村など所々に多人数....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のところへ帰りました。この出水も気になるし、お銀の帰りも気になるけれど、なんとも
詮術《せんすべ》はありません。竜之助は一人で蒲団《ふとん》を取り出して、荒々しく....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
から弓絃《ゆづる》まで、紐《ひも》や糸をことごとく鼠群が噛み断ったので、匈奴軍|
詮術《せんすべ》を知らず大敗した、王、鼠の恩を感じこれを祭り多く福利を獲、もし祭....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
私は全く途方に暮れ、泣くにも泣かれないような気持で、ひしと枕に噛りつくより外に
詮術もないのでした。 その時不意に私の枕辺近くお姿を現わして、いろいろと難有い....