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詰め所
「詰め所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
詰め所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
うざか》の往来もふだんよりは人あしが多いらしかった。門に立てる松や竹も田端青年団
詰め所とか言う板葺《いたぶ》きの小屋の側に寄せかけてあった。僕はこう言う町を見た....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
礼されるのも敬礼に答えるのも好まなかったから、敬礼する暇《ひま》を与えぬように、
詰め所を通る時は特に足を早めることにした。が、この大浦と云う守衛だけは容易《よう....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
込御門のほうを目ざしていったという事実が判明したものでしたから、右門は居合わした
詰め所の御門番衆について、それから先の行き先を尋ねました。 「いましがた色の黒い....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
得た。手はずは?」 「厳秘第一、こっそりお組頭《くみがしら》に耳打ちしてな、足軽
詰め所へ参らば水くぐりの達人がおるに相違ない。密々に旨を含めて、五、六人同道せい....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
退屈男らしく皮肉を残しておくと、京弥を随えながら、なにはともかくと、中間馬丁達の
詰め所にやって行きました。 無論その目的は、疑問の怪死を遂げた古高新兵衛の馬丁....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
しょう。源内どの、ご案内くださらぬか」 連れだってやっていったところは、牢同心
詰め所の奥座敷です。 ご牢屋日誌、送り込み帳、ご吟味記録。 ずらりと並べて積....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
あるところはその出入り口をはいったすぐの左土間です。 土間につづいて八畳敷きの
詰め所とその横に寝べやが並び、
詰め所の奥に湯沸かし場があって、ここにもう一つ障子....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
にさっきの礼をいってけえろうじゃねえか」 皮肉そうににやにやと笑いながら、牢番
詰め所の中へはいっていったと見えましたが、そこにあばたの敬四郎が必死のあぶら汗を....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
がすっかり塗り上げをしていた。ところどころに、人足《にんそく》の茶飲み所兼監督の
詰め所の交番ようのものが「置い」てあった。 彼らは、石炭と海との親不知《おやし....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
門の並びに続いて、すぐ街道と対い合った位置にある。別に入り口のついた会所(宿役人
詰め所)と問屋場の建物がそこにある。石垣の上に高く隣家の伏見屋を見上げるのもその....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
い出すいろいろな問屋場の近況に耳を傾けていた。 「大旦那、店座敷(ここは宿役人の
詰め所をさす)の方でお茶を一つお上がり。まだ役人衆はどなたも見えていませんから。....
「源氏物語」より 著者:紫式部
しになっていた。 五月雨《さみだれ》がその日も朝から降っていた夕方、殿上役人の
詰め所もあまり人影がなく、源氏の桐壺も平生より静かな気のする時に、灯《ひ》を近く....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
らしい二人の侍の、話し声がこっちへ近寄って来た。主屋と離れて別棟があり、諸侍達の
詰め所らしかったが、そこから小姓らしい二人の侍の、手に何やら持ちながら、二人の方....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
燈火が花園の花木を朧ろに染め、苑内のありさまは文字通り全く幻しの園であった。私は
詰め所からうかうか出て苑内深く逍遙って行った。あたりは森と静かである。誰も咎める....
「土竜」より 著者:佐左木俊郎
知人の駅夫から借りて来た小倉の服には、五つの銀釦が星のように光っていた。保線課の
詰め所に出入りする靴屋から、一カ月一円五十銭払いの月賦で買った革の長靴は、彼の予....