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詰襟
「詰襟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
詰襟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
やっていた。すると誰もいないと思っていた扉が急に開いて、その向うから突然四五人の
詰襟服の男が現われ、僕の顔を見ると、 「ああ、此奴だ。こいつを連れてゆくのだ。そ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
断髪頭を、ビューンと一振りふると、卓子の前から腰をあげようとした。 「唯今――」
詰襟服の弦三が、のっそり這入ってきた。なんだか、新聞紙で包んだ大きなものを、小脇....
「蠅」より 著者:海野十三
した。鍵の外れるような音であった。そしてイキナリ、重い扉が外に開いた。その外には
詰襟の制服に厳しい制帽を被った巨大漢と、もう一人背広を着た雑誌記者らしいのとが肩....
「河明り」より 著者:岡本かの子
シンガポール邦字雑誌社の社長で、南洋貿易の調査所を主宰している中老人が、白の
詰襟服にヘルメットを冠って迎えに来て呉れた。朝、船へは紋付の和服で出迎えて呉れた....
「人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
想い出すそうである。――なにしろ、ここは、人跡まれなる濠洲の砂漠の真只中である。
詰襟の服なんか、とても苦しくて、着ていられなかった。 この砂漠に、醤|麾下の最....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
見るからにたくましい体格であった。 このとき、店内には、客は一人もおらず、白い
詰襟の上下服を着た中国人ボーイが五六名、団扇をつかって睡そうな顔をしているところ....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
外も明るくなって、電車がチンチン動きだすことであろう。するとその電車から、一人の
詰襟姿の実直な少年が下りてきて、歩調を整えて門のなかへ入ってくるだろう。そして玄....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
分刈りの頭で、頬骨の張った、目のぎょろりとした、なぜか額の暗い、殺気立った男が、
詰襟の紺の洋服で、靴足袋を長く露した服筒を膝頭にたくし上げた、という妙な扮装で、....
「木曽の旅人」より 著者:岡本綺堂
眼は愛嬌に富んでいる優しげな人物であった。頭には鍔の広い薄茶の中折帽をかぶって、
詰襟ではあるがさのみ見苦しくない縞の洋服を着て、短いズボンに脚絆草鞋という身軽の....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
扉があいて、さっきの小頭が見張所の番人を連れて戻って来た。 カラーのダブついた
詰襟の服を着て、ゴマ塩頭の番人は、扉口でジロッと岩太郎とお品を見較べると、係長の....
「春」より 著者:岡本かの子
て直接表庭の敷石の上に此方を向いて佇立する大学生服の男の姿がはっきり映った。が、
詰襟と帽子との間に挟まれる学生の容貌は、殆ど省略されたようにぼやけて居る。 ――....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
した一面の茗荷畑。水溜には杜若が咲いていました。上り口をちょっと入った処に、茶の
詰襟の服で、護謨のぼろ靴を穿いて、ぐたぐたのパナマを被った男が、撥で掌を敲きなが....
「一日一筆」より 著者:岡本綺堂
員は指三本と五本を出して見せる。男は「八五だね」とうなずいてまた飄然と出てゆく。
詰襟の洋服を着た小僧が、汗を拭きながら自転車を飛ばして来る。上布の帷子に兵子帯と....
「影」より 著者:岡本綺堂
べている。おつやは太吉に茶を飲ませている。梟の声。下のかたより村の青年団員二人、
詰襟の洋服に巻ゲートルの姿にて、灯を入れない提灯を持ちて出づ。) 青年甲 今晩は....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
で、年の頃は五十前後でもあろう、髪を長く伸して、尖った顔に鋭い眼を晃らせ、身には
詰襟の古洋服の破れたのを着て、足には脚袢草鞋を穿いていた。其扮装を見て察するに、....