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話柄
「話柄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
話柄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
惨な思いをして眺めている。ヤコフ・イリイッチは忘れた様に船渠の方を見遣って居る。
話柄が途切れて閑とすると、暑さが身に沁みて、かんかん日のあたる胴の間に、折り重な....
「宣言一つ」より 著者:有島武郎
だろう。
かつて河上肇《かわかみはじめ》氏とはじめて対面した時(これから述べる
話柄は個人的なものだから、ここに公言するのはあるいは失当かもしれないが、ここでは....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
、谷底から駈けて来ると、蜘蛛も光れば蛇も光る。」 と物語る。君がいわゆる実家の
話柄とて、喋舌る杢若の目が光る。と、黒痘痕の眼も輝き、天狗、般若、白狐の、六箇の....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
に対する弁明即ち愚痴がいよいよ多くなった。私が緑雨と次第に疎遠になったのは緑雨の
話柄が段々低級になって嫌気がさしたからであるが、一つは皮肉の冴を失った愚痴を聞く....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
蝙蝠安、「村井長庵」の早乗三次、「髪結新三」の家主長兵衛など、いつまでも好劇家の
話柄に残れり。彼は文筆の才ありて『手前味噌』『絶句帳』などの著述あり。 ○三月、....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
もとより、瀬戸のT氏を煩わすなどずいぶん大がかりの努力であった。これは今でも村の
話柄としておもしろく誇張されて遺っている。 翁は最初志野陶土発見を某工人の口か....
「鮪を食う話」より 著者:北大路魯山人
感じよりかつおに近く、これを賞美する方も、その感じで食っているからまぐろとしての
話柄から除く。さて、このきはだやかじきという奴も、東京には年中あるようなものだが....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
。 こういう場合の通例として身もと調べから話がはずみ、さてそれから商売の方へ、
話柄が開展するものである。 「町人、お前は江戸っ子だな」造酒がまずこうきいた。 ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
るものだろうか。もしあり得るなら、それは天国的な甘き甘き不平である。天使たちの好
話柄になるような地上的ならぬ話である。まことに私は天国に行って、父にそうした不平....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
立派な人物である。あのような品位ある能楽師を余はまだ嘗て見た事がない」 という
話柄が今日に伝わっている。 明治四十一年頃から翁の身体の不自由が甚だしくなって....
「小説の面白さ」より 著者:太宰治
んで、襟を正しただの、頭を下げただのと云っている人は、それが冗談ならばまた面白い
話柄でもありましょうが、事実そのような振舞いを致したならば、それは狂人の仕草と申....
「青玉の十字架」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
たり、両の小脇に警官を抱えて、リヴォリイの大通りを走ったりしたという、乱暴極まる
話柄を持っていた。彼の恐ろしい腕力がそうした血を流さない、しかも人を喰った光景に....
「東上記」より 著者:寺田寅彦
て少時も饒舌り止めず、面白き爺さんなり。程が谷近くなれば近き頃の横浜の大火乗客の
話柄を賑わす。これより急行となりたれば神奈川鶴見などは止らず。夕陽海に沈んで煙波....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
や烏賊の類に関する研究の結果中で吾々|素人にも面白く思われる二、三の事実を夜長の
話柄にもと受け売りをしてみよう。 俗に章魚船と名づけられ、水面に浮んで風のまに....
「一つの思考実験」より 著者:寺田寅彦
の報道は多くの人々の好奇心を満足させ、いわゆるゴシップと名づけらるる階級の空談の
話柄を供給する事は明らかであるが、そういう便宜や享楽と、この種の記事が一般読者の....