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話者
「話者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
話者の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「明暗」より 著者:夏目漱石
上を見上げた。
上では絶えざる話し声が聞こえた。しかし普通雑談の時に、言葉が対
話者の間を、淀《よど》みなく往ったり来たり流れているのとはだいぶ趣《おもむき》を....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
されただけでは、どの人が誰であったやら判然しないのもある。またその話の性質上、談
話者の姓名を発表するのを遠慮しなければならないような場合もあるので、皮切りの星崎....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
外亦如何ともすること能わずと。此故に話術家必しも話の筋を作為するものにあらず、作
話者必しも話術家にあらざるなり。夫れ然り、然りと雖も話術家にして巧に話の筋を作為....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
ねますが、その実は川島家の奥様浪子様――」 主人中将の目はまばたきもせずしばし
話者の面を打ちまもりぬ。 「はあ?」 「その、浪子様でございますが、どうもかよう....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
。少し暗い・けんのある其の横顔は、ダンテにそっくりだ。彼は、此の島特有の職業的説
話者の一人、しかも其の最高権威で、名をポポという。彼の傍には、息子や、同僚達が坐....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
らえ物でなくて、実際にあった事件を忠実に記録した探偵実話などには、かえって筆者や
話者の無意識の中に真におそるべき人間性の秘密の暴露されているものもある。そういう....
「金属人間」より 著者:海野十三
らめた。 だがこれはおかしなことになった。あやしい客がくるという警告だ。あの通
話者《つうわしゃ》は、いったい何者だろうか。同情者《どうじょうしゃ》なのであろう....
「源氏物語」より 著者:紫式部
うような家であるから、こんなのがまじめということを第一の条件にしていた、昨夜の談
話者たちには気に入るところだろうと源氏は思いながらも、今も初めどおりに行儀をくず....
「父の形見」より 著者:豊島与志雄
たことを君に話す僕は、君の父とどういう関係にあるか。何の関係もない。僕は単なる説
話者にすぎないのだ。僕のことなどは忘れてしまい給え。....
「魔都」より 著者:久生十蘭
なるたけ話を長引かすつもりだから、八雲町の交番へ急報して、どんなことがあっても通
話者を捕えさせろ。その方の通告が終ってから拡声器へかけるんだ」
ものの一分と経....
「文学に現れたる東北地方の地方色」より 著者:佐左木俊郎
いう質問に対して、いつも(東北地方)と答えるのに躊躇したことはありません。これは
話者の私が東北人であるための身贔負でもなく、聴者の皆さん方が東北人であるからお世....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
禄に安房の田舎武士が鉄砲を持っていたというと、ちょっと首を傾げさせる。いわんや説
話者が博覧の穿鑿好きたる馬琴であるから、眉に唾をつけながらも考えさせられる。 ....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
で」、最近出かけて行ったばかりだという。 「また、米でか――」 「ンだ」といって
話者は微笑した。 M公は「米俵かつぎ」以外に、それこそ塵一本他人の物は盗ったこ....