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「誇り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

誇りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
ぬことに爾来《じらい》一層冷淡になった。いや、牛乳に育ったことは寧《むし》ろ彼の誇りになった。信輔は中学へはいった春、年とった彼の叔父と一しょに、当時叔父が経営....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
》の人力車《じんりきしゃ》や、硝子取《ガラスど》りの芸者の写真が開化《かいか》を誇り合った時代を思い出させるので、一層|懐《なつか》しみがあると云った。子爵はや....
河童」より 著者:芥川竜之介
慣を少しも破らないように暮らすことである。 × 我々のもっとも誇りたいものは我々の持っていないものだけである。 × 何《なん....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
何の為に戦うかも問わず、欣然《きんぜん》と敵に当ることである。 この故に軍人の誇りとするものは必ず小児の玩具に似ている。緋縅《ひおどし》の鎧《よろい》や鍬形《....
点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
の実父の命日や戒名を覚えていない。それは多分十一の僕には命日や戒名を覚えることも誇りの一つだった為であろう。 二 僕は一人の姉を持っている。しかしこれは病....
或る女」より 著者:有島武郎
に見えた。二十五というそのころまで、熱心な信者で、清教徒風《せいきょうとふう》の誇りを唯一の立場としていた木部がこの初恋においてどれほど真剣になっていたかは想像....
或る女」より 著者:有島武郎
行った。葉子は残り惜しくその後ろ姿を見送っていたが、それになんという事もない軽い誇りを感じてかすかにほほえみながら、倉地が登って来た坂道を一人《ひとり》で降りて....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
き費用を想像した。彼れはまた雪のかきのけてある広い往来を見て驚いた。しかし彼れの誇りはそんな事に敗けてはいまいとした。動《やや》ともするとおびえて胸の中ですくみ....
星座」より 著者:有島武郎
うせつ》に相違ないと信じきっているのが清逸にはよく知れた。清逸はその時子供らしい誇りは感じなかった。ただ、一般に偉い人といわれる人が、かならずしも偉いというほど....
宣言一つ」より 著者:有島武郎
術とかにかかわりを持ち、ことに自分が哲学者であるとか、芸術家であるとかいうことに誇りをさえ持っている人に対しては自分は侮蔑《ぶべつ》を感じないではいられない。彼....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
この目ざましいけなげな生活を、やむを得ぬ、苦しい、しかし当然な正しい生活として、誇りもなく、矯飾もなく、不平もなく、素直に受け取り、軛にかかった輓牛のような柔順....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
入ったことはそれは確かだ。私が隣人から模範的の青年として取り扱われたことは、私の誇りとしてではなく、私のみじめな懺悔としていうことが出来る。 けれども私は本当....
クララの出家」より 著者:有島武郎
か、クララ自身も分らなかったが、当時ペルジヤの町に対して勝利を得て独立と繁盛との誇りに賑やか立ったアッシジの辻を、豪奢の市民に立ち交りながら、「平和を求めよ而し....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
と申すことでございます。 かかる艱苦の旅路の裡にありて、姫の心を支うる何よりの誇りは、御自分一人がいつも命のお伴と決って居ることのようでした。『日本一の日の御....
寡婦」より 著者:秋田滋
うことをするのでしたが、やがては、自分たちの家の評判を恥かしめないことをかえって誇りとしていたのです。 その少年はこうした艶ッぽい話や怖しい話を聞くと夢中にな....