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誇示
「誇示〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
誇示の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「狂言の神」より 著者:太宰治
沈思でもない、打算でもない、愛でもない、救いでもない、言葉でもってそんなに派手に
誇示できる感情の看板は、ひとつも持ち合せていなかった。私は、深刻でなかった。電車....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
彫刻、骨董品のおびただしい陳列で永久的に満たされている西洋の屋内は、単に俗な富を
誇示しているに過ぎない感を与える。一個の傑作品でも絶えずながめて楽しむには多大の....
「善蔵を思う」より 著者:太宰治
いが進むに連れて、ひとりで悲愴がって、この会合全体を否定してみたり、きざに異端を
誇示しようと企んだり、或いは思い直して、いやいやここに列席している人たちは、みな....
「鉄面皮」より 著者:太宰治
でに失格だ、それから腕力だって、例外なしにずば抜けて強かった、しかも決してそれを
誇示しない、君は剣道二段だそうで、酒を飲むたびに僕に腕角力をいどむ癖があるけれど....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
頭を傾げて空の模様を見るような恰好をした。飽まで今日の着附けの自信を新吉に向って
誇示しているらしかったが、やがて着物と同じ柄の絹の小日傘をぱっと開くと半身背中を....
「創作余談」より 著者:太宰治
ずいぶん見栄坊であって、自分のひそかに苦心した作品など、苦心しなかったようにして
誇示したいものだ。 私は、私の最初の短篇集『晩年』二百四十一頁を、たった三夜で....
「わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
全部のものを作品に捧げつくして、その残りカスが私というグウタラな現身なのだよ、と
誇示し得ないこともないのである。諸氏よ、精神異常者の文学だの、意志薄弱の文学など....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
頂戴する。立派な椅子にも腰かけられる。バザアも覗く。姉も鶴見もいわゆる文明開化の
誇示をまのあたりに見て、珍らしい経験を得て帰って来たことをおぼえている。忘れえぬ....
「火の扉」より 著者:岸田国士
すがたを冷やかに見すごしたことはない。そこには何ひとつ心を躍らすもの、人間の力を
誇示するものはないという気がした。 北原ミユキはN市の女学校を出ると、教員養成....
「戦後合格者」より 著者:坂口安吾
主義であるが、それも単に否定し反対するだけの破壊的な方策によって全体主義の性格を
誇示したにすぎないのである。 占領軍の指図による農地解放などは、古今東西の歴史....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
は、その告白が罪にならなくて、公然と許されており、またそうすることが英雄的行動の
誇示にもかのうからである。宝塚難民の逆上混乱、颱風的様相というものは、その数年後....
「回想録」より 著者:高村光太郎
に今迄いろいろ蓄積し準備をして来た筈であるから。 わが国の彫刻の歴史は、世界に
誇示するに足る伝統を持っている。われわれはその秀れた伝統を正しく継承し、それをわ....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
けで、他には規模の厖大とか煩瑣な技術の目まぐるしい積みかさねとか、偏った末梢美の
誇示とかいう類のものはあっても、よく美の中正を行き芸術の微妙な機能の公道を捉えて....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
とさせられる。こうした人々の試みる短歌の批評が、分解批評や、統一のない啓蒙知識の
誇示以上に出ないのは、尤である。私はそんな中から、可なりほんきな正しい態度の批評....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
々として語り、いかに自分がそういう方面において、新しい計画、経綸を持っているかを
誇示したのであった。 やがて男爵はKといっしょに農会長の宅を辞去した。辞去する....