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認め
「認め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
認めの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
4ということは真実である。しかし事実上|+《プラス》の間に無数の因子のあることを
認めなければならぬ。すなわちあらゆる問題はこの+のうちに含まれている。
....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
にぬれた赤ひげと切り裂かれた樺桜《かばざくら》の直垂《ひたたれ》とを、相手の男に
認めたのである。
彼は直下《じきげ》に、立本寺《りゅうほんじ》の門前を、ありあ....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
かに貧困を脱出するたった一つの救命袋だった。尤も信輔は中学時代にはこう言う事実を
認めなかった。少くともはっきりとは
認めなかった。しかし中学を卒業する頃から、貧困....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
《いと》うべき遼東《りょうとう》の豕《し》だったということは、どうしてやすやすと
認められよう。しかも彼の強大な「我《が》」は「悟《さと》り」と「諦《あきら》め」....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
ち至ってやはり妻を殺したのは、殺すために殺したのではなかったろうかと云う、疑惑を
認めずには居られませんでした。私がいよいよ幽鬱になったのは、むしろ自然の数《すう....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
ない。しかし……」とか何とか断《ことわ》っている。按《あん》ずるに無条件の美人を
認めるのは近代人の面目《めんもく》に関《かかわ》るらしい。だから保吉もこのお嬢さ....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
を一丸《いちがん》にしたような天才です。が、まだ貧乏だったり何かするために誰にも
認められていないのですがね。これは僕の友人の音楽家をモデルにするつもりです。もっ....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
か」と調子を合せた。もうその先を尋《き》きただすまでもない。あらゆる正確な史料が
認めている西郷隆盛の城山戦死を、無造作に誤伝の中へ数えようとする――それだけで、....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
が、時々鮮かに浮ぶようになった。彼は前にも云ったごとく、彼自身にもこう云う事実を
認める事が恥しかった。まして仲間の若者たちには、一言《ひとこと》もこの事情を打ち....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
強盗をつけ廻しているが、逮捕《たいほ》出来ないとか云うのだった。それから人影でも
認めたのか、彼は相手に見つからないため、一まず大川の水の中へ姿を隠そうと決心した....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
すべき理智の存在を否みはしない。同時に又百般の人事を統《す》べる「偶然」の存在も
認めるものである。が、あらゆる熱情は理性の存在を忘れ易い。「偶然」は云わば神意で....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
ない。その後《うしろ》には、人間の自然の「道」がある。しかし、林右衛門は、それを
認めようとしなかった。……
彼は、飽《あ》くまでも、臣節を尽そうとした。が、苦....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
談を闘わせた次手に、うっかり蛇笏を賞讃したら、赤木は透かさず「君と雖も畢に蛇笏を
認めたかね」と大いに僕を冷笑した。僕は「常談云っちゃいけない。僕をして過たしめた....
「墓」より 著者:秋田滋
きまとって、どうしても離れません。たとえその肉体は腐っていても、在りし日の面影は
認められるであろう。わたくしにはそんな気がいたしました。そして、わたくしは今一た....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
暗い思想や死を念う気持を胚胎させるものだ。私はそうした事実をこれまでに幾度となく
認めて来た。今夜食べたものが好く消化していたら、私もおそらく自殺なんかしないで済....