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認知
「認知〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
認知の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「放浪」より 著者:織田作之助
子供が可哀相やから駈落ちしたんや。どこの馬の骨か分らんようなでん公の種を宿して、
認知もしてもらえんで、子供に肩身の狭い想いをさせるより、表具屋の息子が一寸間アが....
「船医の立場」より 著者:菊池寛
。ワトソンは、恐ろしい戦慄が、身体を通じて流れるのを感じた。彼は、その人間の顔を
認知《リコグナイズ》した。それは、紛《まぎ》れもなく、先夜自分たちの船を訪れたか....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
からの遊星の分離の仕方は物理的の立場から見て余り感心できないということを、正当に
認知し、そうして別に新しい説明を求めた。彼はまず第一に、諸遊星の軌道面と黄道面と....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
についていたのは、別人ならぬ花川戸の鼻緒問屋の二番息子の直二であった。前に戦死と
認知されて、死亡通知の発せられた幽霊人だった。しかし彼は傷いた艦と共に、辛苦を分....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
だから、重行がひどく嫌うのだが、元からそう悪い人間ではなかった。重武は十一の年に
認知されて、二川家に引取られたが、父の重和は間もなく死ぬし、引取られた時には重行....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
それが私生児であるがために始めのうちは、父親の芸術の世界でこれを自分の子供として
認知する、しないの問題も起こったのである。しかし今ではこれを立派な嫡子として認め....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
ピンと立った頤髯の根もとに、ひとつかみほどの白毛を発見しなかったら、これを博士と
認知するのが相当困難であったろう。竹田博士は年歯僅かに四十歳であるのに、不精から....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
あった新聞紙であるのに、『朝日』は社内的にはこの特ダネが根拠あるものであることを
認知しながら、世間の浮説に和して、この優秀な記者を退社せしめている。後でこの記者....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ハッキリ分らなければ信徒にはなれない。又、その別が分るような現象があって、それを
認知したもののみが信徒になれるという。そこで「ツレコミ」ということが起る。即ち、....
「省察」より 著者:デカルトルネ
この何か知らぬが、想像力の支配下に入り来らぬ、私に属するものよりも、遥かに判明に
認知せられると私には思われ、また私はそう考えざるを得ないのである。とはいえ、実際....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
ヤの有司に渡して磔にさせたイスカリオテのユダ。 指の節を額に触れる 尊敬または
認知のしるしである。 〔第四章 祝い〕 バスティーユ 往時パリーにあった有名....
「火夫」より 著者:カフカフランツ
ことだろう。なぜなら、上院議員がはっきりと断言したように、自分のおしゃべりが甥を
認知する間接のきっかけとなったからだ。ところでこの甥はさっき何度も自分のために役....
「「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
隔離せられ、最も気の毒なる状態の下に、不遇の生活を送りおり候う事、世人のひとしく
認知の次第と存じ候う。これを自然の成行きに放任致し候う事は、ただに彼らに対して同....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
神は不可見であるから形を持つことがないが、しかし神のさまざまな作品からわれわれが
認知するところよりして、われわれは結論する――神は永遠であり全能であり全智であり....
「近衛内閣の常識性」より 著者:戸坂潤
ることの出来る有利な立場にあるばかりでなく、政務官の復活というような猟官心理と被
認知欲望とを利用した抱きこみ乃至切りくずし策を案出しつつある。ここまで来ると政党....