誘引[語句情報] » 誘引

「誘引〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

誘引の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
良仕事に憊《くたび》れている彼の父親が、見物にやって来たり、お島から書送った同じ誘引状に接して、彼女が山で懇意になった人々が、どやどや入込んで来たりした。世のな....
乱世」より 著者:菊池寛
|可承トノコト 追テ参上ノ儀ハ二十三日夜五ツ|時期限ニ候其節宗十郎一手ノ内ヲ以テ誘引可有之事 一藩の人々は、愁眉を開いた。帰順がいれられたからである。が、一藩....
不審庵」より 著者:太宰治
お茶の招待を受けたのである。招待、とは言っても、ほとんど命令に近いくらいに強硬な誘引である。否も応もなく、私は出席せざるを得なくなったのである。 けれども、野....
映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
音だけをわれわれの耳に特有な抽出作用によって選び出し、そうして視覚から来る連想の誘引に応じてスクリーンの上に投射したものらしい。 最近にはまた上記のものとは種....
野道」より 著者:幸田露伴
春郊漫歩の半日を楽もうと好晴の日に出掛ける、貴居はすでに都外故その節お尋ねしてご誘引する、ご同行あるならかの物二三枚をお忘れないように、呵々、というまでであった....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ルの河の中に落して溺れ死なしたこともある。天の一方に悪魔があって、無限に茂太郎を誘引するのかも知れない。 果して、その日、晩餐《ばんさん》の席に、駒井の家には....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
充分の用意をして持参して来たものであり、同時に、兵馬のように、ほとんど偶然に近く誘引されて来たというのでなく、たしかに痕跡をつきとめて、後の先を制したようなつも....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
角の説きつけぶりがよかったせいか、お銀様の風向きがよかったのか、すらすらとお角の誘引に乗出したのが不思議なくらいでありました。 「そうですね、そう言われると、東....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
らず、これも前にちょっといったが、私が番町に住んでいた頃、妻や長女は矢島楫女史の誘引で基督信者になった。これは私が例の哲学からの悟りで、婦女子には何らかの宗教心....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
のは人間の自由になるものではないこと、などを彼女は考えてみなかった。その感傷的な誘引を、クリストフと自分との艶事《つやごと》に比較することなどは、彼女の頭に浮か....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
へ飛び込んで行くであろう。ちょうどそのように、頼母は、眼に見えない左門の気合いに誘引せられたのであった。ハッと気付いた頼母は、背後へ引いた。が、次の瞬間には、ヒ....
宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
それ以後保養のために集って来る湯治客は、やや増加したとはいうものの、多数の浴客を誘引する設備に欠けていたので、別にめざましい発展も見られなかった。 その後、阪....
活人形」より 著者:泉鏡花
の間から覗いて見る。知らせにつき道具廻る。 さても得右衛門は銀平を下枝の部屋に誘引つ、「此室に寝さしておきました。と部屋の戸を曳開くれば、銀平の後に続きて、女....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
んたるを知らず、ロシアと日本はいかなる関係を有するやを知らざるものなれば、これを誘引してかの宗門に入るるは、また決して難きことにあらざるべし。ことにわが国信教の....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
海軍の無能によってナポレオンの計画は実行一歩手前に於て頓挫し、英国は墺、露を誘引して背後を覘わしめた。ナポレオンは一八〇五年八月遂に英国侵入の兵を転じて墺国....