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「語らい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

語らいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
ることがないでもない。現に関白殿の花の宴《うたげ》のゆうべに、彼は自分と玉藻との語らいをぬすみ聴いていたらしく、それを白状せよと迫って土器《かわらけ》をしい付け....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
んは、気がふれはしないかと思うほど、口説《くど》いて泣く。お前達二人がこれほどの語らいとは知らずに、無理無体に勧めて嫁にやったは悪かった。あア悪いことをした、不....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
ころどころ隈取りを作って芹生が水の流れを狭めている。燕の夫婦が一つがい何か頻りと語らいつつ苗代の上を飛び廻っている。かぎろいの春の光、見るから暖かき田圃のおちこ....
深夜の市長」より 著者:海野十三
毫も反省の色なく、剰さえT市の鍵が吾輩のところにあるのを知ると、仮面の悪人どもを語らいあらゆる悪辣なる手段を弄してその奪還を図ったのだ。市長とグルになった黒河内....
ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
新郎は、誰も知らない秘密に更に快い興奮を加えつつ、翠帳紅閨に枕を並べて比翼連理の語らいに夜の短かさを嘆ずることとはなった。 ヒルミ夫人の生活様式は、同棲生活を....
黒百合」より 著者:泉鏡花
の谷で、今夜の会合をあらかじめ約したのであった。 三十三 二人は語らい合って、湯の谷の媼が方へ歩き出した。 お兼は四辺を※して、 「そりゃそう....
初雪」より 著者:秋田滋
ぐ、なまあたたかい小春日和である。輪を囘して遊んでいる子供を連れたり、男と何やら語らいながら、足どりもゆるやかに散歩路の砂のうえを歩いてゆく女の姿が、そこにもこ....
北斗帖」より 著者:違星北斗
思う 誰一人知って呉れぬと思ったに 慰めくれる友の嬉しさ 夜もすがら久しかぶりに語らいて 友の思想の進みしを見る 淋しさを慰め合って湯の中に 浸れる友の赤い顔見....
人狼」より 著者:岡本綺堂
源五郎 いつまでも世間に気兼ねをしているのは詰まらないことだ。 (二人は睦まじく語らいながら、向うへ去る。水の音。下のかたの芦をかきわけて、おいよ忍び出で、二人....
式部小路」より 著者:泉鏡花
の用足しから帰って来た女房は、その手巾を片襷に、愛吉が背後へ廻って、互交に睦じく語らいながら、艶なる頸にきらきらと片割月のきらめく剃刀。物凄きまで美しく、向うに....
北穂天狗の思い出」より 著者:上村松園
われぬ残春の景趣を横溢させている。山の声は甲高い馬子や一行の話声と小鳥のやさしい語らいと、時々人気に驚いて熊笹をゆすって逃げ去る兎くらいのものでまったく閑寂その....
活人形」より 著者:泉鏡花
きが、単身にては気味悪しと、一まず家に立帰りて、近隣の壮佼の究竟なるを四人ばかり語らいぬ。 各々興ある事と勇み立ち、読本でこそ見たれ、婦人といえば土蜘蛛に縁あ....
牛女」より 著者:小川未明
よく実って、予想したよりも、多くの収穫があったのであります。村の人々は、たがいに語らいました。 「牛女が、こうもりになってきて、子供の身の上を守るんだ。」と、そ....
おおかみをだましたおじいさん」より 著者:小川未明
。」と、おじいさんにお礼をいいました。 それから、二人は、小屋の中でむつまじく語らいました。やがて、だんだん日暮れ近くなったのであります。 「お父さん、また、....
ひとりすまう」より 著者:織田作之助
、その店の、雀斑のあるかなり可愛いい顔をしたワンピースのドレスの少女とひそやかに語らいながら二人切りの時間を楽しんでいる様だった。美少年は、ぼくらの姿を見ると、....